信号無視:悪質自転車に罰金 東京地検方針
毎日新聞 2013年01月21日 21時10分(最終更新 01月21日 22時37分)
東京地検は21日、自転車で悪質な信号無視を繰り返す違反者を今後、道交法違反(信号無視)で略式起訴する方針を明らかにした。従来は、違反者に罰金を科す略式処分は厳し過ぎるとして不起訴処分としてきたが、信号無視が原因の事故が増加傾向にあり、方針転換が必要と判断した。
警視庁によると、東京都内で自転車の信号無視で交通切符(赤切符)を切った件数は08年に55件だったが、12年は437件と約8倍に。信号無視が原因の事故は12年に299件発生、うち183件で相手が負傷した。自転車が第1当事者の事故のうち信号無視が原因の割合は、07年は8%だったが昨年は9.6%と増加傾向にある。
自転車は免許制度ではないため、信号無視の違反をした場合は行政処分の「青切符」はなく、刑事手続きに入ることを示す「赤切符」が切られる。その結果、略式起訴され罰金が科された場合、前科となるため、全て不起訴としてきたという。
東京地検交通部は「警視庁と連携して取り締まりの強化につなげる」と話している。【山田奈緒、黒田阿紗子】