EP−ROMの昔話・その28

沙織 〜美少女たちの館〜

2003年1月5日

 これ書こうかどうしようか相当迷っていたのですが、やはり過去を振り返るにあたっては避けては通れないことなので書いてしまうことにします。

 時は1991年のこと。京都で中学生がソフトを万引きして補導されたのですが、その万引きした中にタイトルがあったのです。幸か不幸か、このゲームはその当時のこの手のゲームとしては最高クラスのワイセツ度を誇るゲームであったため、ワイセツ物として摘発され、逮捕者まで出る事件となりました。この一件はその後俗に「沙織事件」と呼ばれることになりました。この他にもいくつかのソフトが発禁処分となっています。

 この当時まではパソコンのソフトには一般と18禁の区別はなかったのですが、この事件をきっかけとして、この手のソフトには18禁シールが貼られることになりました。ただし、この時点ではまだ倫理規定は定まっていなかったため、どういった描写までが許されるのかはソフトハウスの判断に任されていました。そこで、1992年にD.O.が中心となって現在のソフ倫が設立されたのです。

 当時のユーザーからはかなりの反発がありました。特に中心となったのがD.O.で、ここのゲームは隠しコマンドを入れるとモザイクが取れる、というのは結構有名だったため、「何を偽善的なことをやっているんだ」という意見は結構ありました。ともあれ、倫理規定が定まって、モザイクが取れるソフトは発売できなくなったはずなんですが、その後も少数ながらモザイクが取れてしまうソフトが発売されてました。現在ではもうないでしょうけれど。

 ところで、ソフ倫誕生のきっかけとなったこの「沙織」というのはいったいどんなゲームだったのでしょうか? 発売は1991年11月で、X指定/フェアリーテールより発売になっています。余談ながらF&Cの歴史においてはこの一件はタブーとなっているようですね。

 ゲームの内容は、と言うと、女子高校生の沙織は学校より帰宅途中で野外Hをしているカップルを目撃します。それに興奮してしまった沙織は、家に帰るとオナニーしながらこの件を思い出して、「めちゃくちゃにされたい」と願います。そこへ謎の男達が現れて、沙織は謎の洋館に拉致されてしまいます。さてその洋館の中で沙織が体験する出来事は、というゲームです。

 洋館の中で、ドアを開けるごとに様々な幻覚を見ることになるのですが、内容は、

[1] 兄と妹の近親相姦

[2] 父と娘の近親相姦

[3] 教室で女教師と生徒

[4] 大学の先輩を雌奴隷として調教

[5] パトカーの中で警棒を使ってオナニーする婦警

[6] 職場でバイブに狂っているOLと上司

[7] 境内でレズっている巫女の姉妹

 とにかくシチュエーションがまともじゃないものが多い上に、モザイクはかかってない、放送禁止用語はバンバン出てくる、とまあ発禁になっても致し方ない内容かな、と思えます。グラフィックだけならもっとヤバいのもあったんですが、とにかくこのゲームのシチュエーション、テキストがヤバすぎたですね。

 この「沙織事件」が起きなくても、おそらくいずれは何らかの形でソフ倫のような組織はできたとは思いますが、「逮捕者が出て」という形は不幸だったかもしれません。現在のソフ倫の規定においてもかなり疑問な点はありますし。

 いずれにせよ、ソフ倫という組織が何をきっかけとして設立されたのか、ということを知って頂きたく今回の文章を書かせて頂きました。

written by EP−ROM