EP−ROMの昔話・その25

恋姫 -Mystic Princess-

2002年12月31日

 シナリオで評価されるゲームの場合、多くは「感動」という言葉を持って語られる場合が多いようです。逆に言うと、それ以外の要素によって評価されるシナリオというのはかなり少ない、とも言えるのですが。

 では、「感動」ではない要素とはどのようなものがあるのでしょうか? その1例として上げたいのがこのタイトルのゲーム、「恋姫」です。このゲームの持つ、ほのぼのとした、暖かさというものはなかなか他のゲームで見ることはできないでしょう。発売はシルキーズより1995年5月です。

 詳細についてはKenさんのレビューを参照して頂くとしまして(最近こればっかりだな。(^^;))このゲームの持つ魅力というのは一体何なのでしょうか? 正直、言葉で表すのは難しいのですが、「ゲームの持つ雰囲気」としか言いようがない気がします。おそらく、内容を知らない人がこのゲームのあらすじを読んでも魅力があるとは思わないのではないか、と私には思えます。やはり、「プレイしてみなければわからない魅力」というものがこのゲームにはあるのでしょう。ある意味、「癒し系」の元祖的存在なのかもしれませんね。

 ところでこのゲームは1999年12月という比較的最近にWindows用としてリメイク版が出ています。考えようによっては「昔のゲーム」とは言えないかもしれませんが、変わったのはキャラクターデザインだけで、シナリオは変化がないそうですから、元の完成度が高かった、とも言えましょう。

 このゲーム、舞台は夏なのですが、あんずのTrueEndはちょうど本日(12月31日)の話なんですよね。先ほどこれをリプレイしてからこの文章を書いているのですが、しみじみとした気持ちにさせてもらいました。このゲームでは唯一このエンディングだけが感動的な話なのですが、もしかしたらWindows版が年末に出たのもこのエンディングに合わせてのことなのかもしれませんね。

 ところで、この「恋姫」には続編として「ビ・ヨンド」というゲームが出ています。これもプレイした人のほとんどが誉めているゲームなのですが、実は私は未プレイだったりします。自分の中ではあの「恋姫」の世界はあれで終わりにしてそっとしておいて欲しい、という気持がありまして。実は「ワイルドフォース」終了後も同じことを思って、「カナン」を相当長い間プレイしなかった、ということがあるのですが。「ビ・ヨンド」もWindows版が出ていますので、今でも十分プレイ可能です。

 ゲームの雰囲気における「暖かさ」という面では私がプレイした数百のゲームの中では随一のゲームです。「感動」とは違った魅力、というものに触れてみたい方にはお勧めしておきたいゲームです。

written by EP−ROM