B787機:国交省、運航停止指示 欠航拡大の恐れ
毎日新聞 2013年01月17日 11時02分(最終更新 01月17日 13時00分)
【桐野耕一、宇田川恵、ワシントン平地修】米ボーイング社の最新鋭機787のバッテリーから電解液が漏れたトラブルを受け、米連邦航空局(FAA)は16日、米国内で同機を運航する航空会社に対し、バッテリーの安全性が証明されるまで運航停止を命じた。FAAは各国にも同様の措置を取るよう警告、日本の国土交通省も17日正午過ぎ、国内の航空会社に運航停止を指示した。
787を巡っては、7日に米ボストンの空港で日本航空機から出火、16日には全日本空輸機のバッテリー異常から煙が発生するなどトラブルが続出。FAAは「バッテリーの不具合から可燃性の電解液を放出させ、熱による損傷と煙を発生させた」と分析し、航空会社に適切な点検や修理を求める緊急の「耐空性改善命令」を出した。停止命令の対象は、米国で登録している787だが、影響は各国に広がりそうだ。米メディアによると、米ユナイテッド航空は、ただちに保有6機の運航を停止する。
国内では、全日空と日航が計24機を保有しており、両社とも16日から自主的に運航を見合わせている。両社とも787の就航路線については、代替機を使って穴埋めする方針だが、トラブル対策が長期化し、機材繰りが間に合わないと、欠航が広がる懸念もある。
787ではほかにも、燃料漏れなどのトラブルが続出している。FAAは今月11日、電気系統など基幹システムの包括的な調査の開始を表明している。