B787機:全日空「バッテリー液漏れ」発表
毎日新聞 2013年01月16日 23時22分(最終更新 01月17日 01時20分)
山口宇部発羽田行き全日空機ボーイング787の機体から煙が出るなどし高松空港に緊急着陸したトラブルで、全日空は16日、電気室内のメーンバッテリーを納める金属製容器が変色し、電解液が漏れていたと発表した。国土交通省はバッテリーで何らかの異常が起きたとの見方を強め、職員3人を現地に派遣して調査を開始。米連邦航空局や製造するボーイング社とも情報交換して原因究明する。
全日空によると、緊急着陸後に整備士がメーンバッテリーの金属製容器を外から目視で確認したところ、側面が縦8センチ、横9センチにわたり黒く変色。その上部にも変色した部分があり、電解液は側面の変色部分からにじみ出ていた。
また、国交省運輸安全委員会の小杉英世調査官は17日未明「前方の電気室は焼け焦げたにおいがし、バッテリーの液が沸騰して外に漏れたような形跡があった。バッテリー以外の損傷は見当たらなかった」と述べた。17日はバッテリーを機体から外して調べる方針。
この機体は12年1月に運航を始めたが、同2月29日に電気系統のトラブルが発生。10月17日早朝にも羽田空港で機体電源が入らないトラブルがありメーンバッテリーを交換した。このバッテリーは米ボストンの空港で日本時間の今月8日に出火した日本航空の787と同じ製品で、同日の緊急点検では異常は見つからなかった。
全日空と日航は安全性が確認されるまで787の運航をしない方針を決め、17日も全日空で国内線35便、日航で国際線4便が欠航する。全日空の伊東信一郎社長は16日、太田昭宏国交相を訪ね「ご迷惑をおかけし、おわびします」と謝罪した。
一方、緊急着陸した機体は駐機場に移動され、高松空港は午後7時24分、緊急着陸による閉鎖が解除された。【桐野耕一、樋岡徹也、鈴木理之】