PC遠隔操作:容疑を否認…逮捕のIT関連会社社員
毎日新聞 2013年02月10日 12時17分(最終更新 02月10日 12時51分)
遠隔操作ウイルスに感染したパソコン(PC)などから犯罪予告が送られた事件で、警視庁などの合同捜査本部は10日、東京都江東区白河4、IT関連会社社員、片山祐輔容疑者(30)を威力業務妨害容疑で逮捕した。「全く事実ではありません」と容疑を否認しているという。一連の事件では4人が誤認逮捕され、「真犯人」を名乗る人物が計13件の犯罪予告への関与を明かしたメールを送りつけていた。合同捜査本部は片山容疑者がメールを送りつけた人物とみて追及し、事件の全容解明を目指す。
逮捕容疑は昨年8月9日午前10時40分ごろ、ウイルス感染した愛知県内の会社のパソコンを遠隔操作して、インターネット掲示板「2ちゃんねる」に「コミケ(コミックマーケット)でマジで大量殺人する。ナイフで無差別に刺す」なとど書き込み、イベント主催者に警備を強化させるなどして業務を妨害したとしている。
「真犯人」を名乗る人物は今年1月5日にも、報道関係者らにメールを送信。合同捜査本部が神奈川県藤沢市の江の島を捜索したところ、メールの内容通りに猫の首輪からウイルスの設計図にあたるソースコード入りの記憶媒体を発見した。合同捜査本部は防犯カメラの画像を解析するなどして片山容疑者を割り出し、事件との関連について調べていた。
合同捜査本部は、片山容疑者が誤認逮捕された4人のPCをウイルスに感染させるなどして遠隔操作していたとみて追及する。
昨年10月の犯行声明メールでは、動機について「警察・検察を嵌(は)めてやりたかった」と記載。今年1月に江の島で見つかった記憶媒体には「以前、事件に巻き込まれたせいで人生の大幅な軌道修正をさせられた」とのメッセージが残されていた。
片山容疑者は05年にもインターネット掲示板に殺害予告を書き込んだなどとして逮捕され、実刑判決を受けている。【小泉大士、喜浦遊、松本惇】