ルース駐日米大使インタビュー全文:(3)日本を巡る脅威
2013年02月05日
◆ルース大使 最初に強調しておきたいのは、私はここ(東京)に来て3年半になりますが、自民党政権であっても民主党政権であっても、ここ日本において、そして米国の(民主、共和の)2党においても、日米同盟の重要さは党派を超えて認識を共有されているということです。同盟関係は、毎年強化されています。今あなたが指摘されたことは重要だと思います。我々は不確かな時代に生きていますし、特に今、この地域はさまざまな問題を抱えています。私たちは北朝鮮による核実験という明らかな脅威に直面しています。非難すべき、受け入れがたいものであり、だからこそ我々の同盟の重要性がさらに増すことになるのです。あなたが指摘されたように、領土をめぐる紛争があり、私たちは中国の不透明な軍備増強に懸念を抱いています。日米相互の協力関係が高まるこの21世紀の時代において、我々日米両国の最大の関心が、オバマ大統領の言葉を借りれば、中国と前向きで協力的な関係を持つことにあることは明らかです。しかし、すべてはこの地域全体、実際には世界全体が日米同盟の強さにかかっているということを物語るものなのです。(オバマ)大統領は、日本との同盟関係が、世界の中のこの地域における安全保障政策の礎石、要であると明言しています。そして、私たちは新たなる課題に直面している。サイバー空間や宇宙において、新たな挑戦を受けつつあります。人道的な危機も続いています。そして、私たちが2011年3月11日の悲劇から学んだことの一つは、私たちの同盟は機能しているということです。私たちは、日本がかつて直面したことのないほど最悪の人道的危機の一つにおいて、同盟が機能したことを認識しました。同盟が、それ(災害)を機に存在感を見せたのです。ですから、私は両国がここ数年で成し遂げたことを非常に前向きにとらえていますし、この同盟を強化するため懸命に努力し続けたいと思います。それは、私たち両国にとってだけでなく、この地域と世界全体にとっても重要な財産なのです。
(続く)