海洋研究開発機構は宮城県沖の海底掘削調査で、東日本大震災の前後でプレート（岩板）にかかる力の向きが逆転したことを確認した。力の向きの逆転はプレートの動きなどから推定されていたが、海側のプレートと陸側のプレートの境界とみられる断層の岩石を採取、分析して確認したのは初めて。研究成果は８日、米科学誌サイエンスに掲載される。
大震災の震源域である宮城県の牡鹿半島沖約220キロメートルで、北米プレートと太平洋プレートの境界面の海底下を850メートルまで大型調査船「ちきゅう」で掘り下げた。直径25センチの円筒形に岩石を掘り抜き、採取した岩石や掘削後の周囲の岩石の崩れ方などを分析。プレート同士が引っ張り合う「正断層型」の力がかかっていることが分かった。
震災前にはプレートが押し合う「逆断層型」の力がかかっていたとされ、地震の前後で力の向きが逆転するという従来説と一致した。大震災で津波が巨大化したことも説明できるという。
プレート、プレート境界、大震災
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