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政治
【主張】TPPと自民党 交渉参加を前提に議論を
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への対応をめぐり自民党が近く外交・経済連携調査会での論議を始め、2月下旬の安倍晋三首相の訪米までに提言をまとめるという。
懸念されるのは、党内に交渉参加への反対論が根強い中で首相の手足を縛るような提言になることだ。日本の参加を期待するオバマ大統領との首脳会談にも悪影響を与えかねない。
こうした党側の圧力に、首相の腰が定まっていないことも問題だ。首相はテレビ番組で「参院選前に方向性を示したい」と述べた2日後には国会で「時期は決めていない」と修正した。
農協など支持団体の意向を背景とした反対一辺倒の議論がまかり通るなら、難しい調整を乗り越えて国益を守るべき政府・与党の責務は果たせない。
昨年の衆院選で、農協側の政治組織は、TPP参加阻止に合意した候補160人を推薦したが、その9割は自民党だ。すでに参院選を見据えて「与党内での反対勢力拡大」の方針を決め、支援した議員らにクギを刺している。
参院選勝利という課題があるのだろうが、首相には、特定の支持団体に重要政策の決定を左右される古い政治の構図を断ち切れるかどうかの覚悟が問われている。
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