ボウカー(上)のフリー打撃で、投げ込む巨人の沢村(市川和宏撮影)=サンマリンスタジアム宮崎で
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ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補の巨人・沢村拓一投手(24)が9日、フリー打撃に初登板。山本浩二監督(66)ら侍ジャパン首脳陣の前で40球を投じた。直球だけではなく変化球を試しながらの投球では柵越えはゼロ。15日からの日本代表合宿(宮崎)へのアピールに成功する上々の結果になった。
沢村が御前投球で存在感を示した。WBC組のトリを飾る形でマウンドへ。ボウカー、ロペスと相対した。安打性の打球は2人とも3本のみ。直球で詰まらせる場面もあり、終了後の顔には手応えが浮かんでいた。
「明後日(11日)の実戦に向けて、しっかりと投げることができましたね」。もちろん、自己評価は十分な及第点。原監督も「いい状態で来ています」と高く評価した。
今年は尊敬するダルビッシュ(レンジャーズ)のように投球に入る時にグラブを顔のところへ置く新フォームを試している。すべては殻を打ち破りたいとの思いからだ。プロでの通算成績は21勝21敗。原監督からは貯金をつくることを望まれている。この思いは沢村にも共通する。試行錯誤を繰り返しながら、投球に磨きをかけてきた。
成果を示す場がフリー打撃。対戦したロペスは目を見張った。WBC第2回大会で優秀選手に選ばれた男が「沢村の直球はグリンキー(ドジャース)のようだ」とサイ・ヤング賞右腕を引き合いに出して激賞。山本監督に「球の勢いがよかったな」と言わしめた。
しかし、沢村の目は先を向く。「今日は今日。やるべきことをやって、課題を克服できれば」。本番はこれから。来るべき大舞台に立つ日がくるまで、沢村は進化し続ける。 (川越亮太)
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