真剣な表情でシュート練習をする名古屋・矢野=タイ・チェンマイで(佐伯友章撮影)
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【チェンマイ(タイ)木村尚公】名古屋グランパスのFW矢野貴章(28)が9日、“デビュー弾”を宣言した。10日に今季初の対外試合となるチェンマイFC戦が行われ、矢野はセンターFWとしてスタメン出場する見通し。グランパスの一員として初めて迎える実戦に「得点を取れば周りも認めてくれる」と得点を予告。点取り屋の実力を見せつける。
元日本代表FWの新たなステージが本格的に幕を開ける。初めての対外試合とはいえ、3月2日のJリーグ開幕までに用意されている試合は4つだけ。「今まで積み重ねてきたことを出す場所。自分はアピールしなければならない立場ですし、やれることをしっかりやりたい」。矢野は熱い思いを語った。
新潟からグランパスへ移籍して環境はがらりと変わった。若手中心の新潟に対し、グランパスの主力は30歳代。必然的に練習内容も大きく変わった。システムも4バックの新潟に対し、今キャンプで、グランパスは3バックを主に試している。矢野は「(システムに)慣れていないという面は確かにあります」と順応の必要性は実感している。
それでも、矢野には日本代表やドイツのフライブルクでもまれた経験がある。新天地でアピールする術は心得ている。
「監督から言われたことだけをやればいいわけじゃない。監督は中央で起点になることを求めているけど、自分には違う武器もある。試合の中で自分の色を出すように心掛けたい」
ポストプレーだけではなく、ドリブル突破もできるのが矢野の魅力。ときにはエゴイスティックに持ち味を出す決意だ。
「得点を取れば周りも認めてくれる」と矢野。ライバルのケネディは腰の手術明けでスロー調整中。かつての2年連続得点王が居場所を失うくらいのインパクトを、矢野が残せるか。
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