はいはい、そうですよ。
確かに俺は姉であるお前を疑いました。
部屋から根こそぎ下着が消え失せて、真っ先に頭にお前みたいな奴の顔が浮かんだのでございます。
何故かというとこういう度が過ぎた悪戯をするのはこいつしかいないからなんだ。
そもそも、日頃からそういう様な真似ばかりしてる方が悪いに決まってるじゃないか!
何が楽しくて弟に自分のみっともなく弛んだ腹を見せ付けるんだよ。
これで自分では無敵のスタイルだとかほざいてるんだから、笑ってしまう。
「出ていってくれ」
「駄目だ。お姉様に誠意を持って謝罪しない限り、出られないと思え」
「はいはい、すいませんでしたー」
目の前で全裸剥き出しのまま、足を組んで座っている姉ちゃんに、不本意ながら頭を下げた。
「これでいいだろ?」
「なんだその反抗的な態度は!戒めなさい、さもないと戒めるぞ!」
姉ちゃんは手拭いを俺の手首に巻き付け、締めあげてきた。
「いでででで!やっ、やめろ!痛い!」
「おだまり!戒めを!戒めを!」
ちょっとしかやられていないのに俺の手首は真っ赤になってしまった。
「次はお主の大事な部分にも戒めをするわよ!悔い改めなさい、妹になりたくなければね」
本格的にノクターンに移動するつもりだろうか?
冗談じゃないぞ。
「どうやら、お前に痛みは効かないらしいな」
何度も戒めといて何をほざいてるんだ、このドSは。
こんなの尋問じゃない、もはや拷問だ。
風呂場という密閉された空間なので、俺も姉ちゃんも汗だくになっていた。
「こうなれば次の手を使うしかなさそうだな。巽、寝ろ」
「うるせえよこの変態」
いきなり姉ちゃんはマットを敷いて、パンパンと叩いた。
もし見知らぬ人から何かしらの警告が来たらこいつのせいだからな。俺は知らないぞ。
「マッサージしてやるから寝なさい」
「尋問しなくてもいいのか?」
「こんなに可愛い弟をいじめるわけないでしょ」
戒めをくらった手首を見せたら記憶にございませんとぬかしやがった。
たった今あれだけ締めあげたくせに、都合のいい記憶喪失だな。
「ほら、早く寝ろ!いうこと聞けよ!」
「やっ、やめろ!うわっ!やっ、やめ・・・!」
俺は全裸でマットに寝かされてしまった。
し、しかもこの体勢はちょっと、いやかなり恥ずかしい、何よりまずすぎる。
せめてうつ伏せであったならまだ我慢できたのだが、仰向けというのは・・・
「ほっほっほっ、最初から素直に従っていればよかったのだよ」
「や、やめろ・・・!」
姉ちゃんは俺の腹に跨ってきた。
ああ、良かった。下半身を下ろす場面があと少し下だったら、ここに書けない事態を引き起こしていたに違いない。
「あっ、ああっ!」
姉ちゃんの指が俺の胸板を這いずり回ってくる。
やっ、やめて姉ちゃん!お願い、そこをそんなふうにされたら俺、俺・・・!
「ごめんなさいは?」
「なんで言う必要があるんだ。いや、さっき言っただろ」
「あんなその場しのぎでお姉様が満足するとでも思ってるの?」
姉ちゃんの尻が俺の腹にのしかかってくる。
これがもしみどりだったら、俺は迷わずもう少し下に跨らせたかもしれない。
そ、そして、『都合によりお見せ出来ない部分があります』するんだ。
でも姉ちゃんが相手じゃなぁ・・・まあ、確かにみどりより胸も大きいし、脇腹も括れてはいるよ。
興奮しないけどな。全く、全然、これっぽっちも・・・
「ほれほれ気持ち良かろうが巽!」
「ね、姉ちゃん、当初の目的忘れてないか?」
「私はブレてないわよ。お前を昇天させるつもりだったんだから!」
はは、やっぱりな。
すっかり忘れちまってるわ。姉ちゃんってアホだからな。
ほら、ぷるぷる揺れてるよ、そのだらしないお腹が。
姉ちゃん黙ってればそこそこだと思うんだけど、喋るから台無しだよな。
いつまで姉ちゃんはアホのままなんだろう。
こないだ昔に戻った時は多少マシっぽかったんだけど・・・・
〜続く〜
紅音「今日の体位は騎じょ・・・」
巽「止めなさい!体位とか言うな!」
紅音「そういうの恥じらうキャラじゃないんですけど!」
巽「逆ギレすんなよ情けないぞ」
紅音「・・・興奮してたくせに」
巽「・・・・・・」
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