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スギ花粉プラスPM2・5 タチ悪すぎる“悪玉”登場
大気汚染物質「PM2・5」と花粉、人間の毛髪の大きさを比較した画像=京都環境局HPより
Photo By 提供写真 |
スギ花粉の飛散が西日本を中心とした一部地域で始まった。関東地方では3月上旬にピークを迎え、飛散量は昨シーズンの3〜7倍に及ぶ見込みだ。さらに、中国からの飛来が確認されている微小粒子状物質「PM2・5」がスギ花粉とくっつくことで“悪玉花粉”と化す懸念も。アレルギー症状をより悪化させる可能性があり、専門家は注意を呼び掛けている。
タチの悪すぎる花粉に苦しめられそうだ。
日本気象協会によると、今春のスギ花粉の飛散量は、昨夏の残暑の影響で、九州地方を除き全国的に昨シーズンより3〜7倍多い。関東以北では3〜5倍になるという。
飛散の開始は例年よりやや早く、環境省は、島根県の1月24日を皮切りに西日本を中心とした一部地域で既に始まったと発表した。関東南部は3月上旬ごろ、関東北部などでは3月下旬ごろから飛散量がピークになる見通しだ。
今春のスギ花粉は飛散量が多い上に“攻撃力”も高い。その原因は、中国で深刻化している大気汚染の原因物質「PM2・5」。偏西風に乗って日本にも飛来しており、スギ花粉とくっついて“悪玉花粉”と化す可能性があるのだ。
PM2・5は直系2・5マイクロメートル以下で髪の毛の太さの40分の1。体内に入り込みやすく、肺がんリスクを増加させるほか、アレルギー症状を悪化させる。スギ花粉が引き起こした花粉症を、PM2・5がより重症化させるというダブルパンチとなるため、専門家は注意を呼び掛ける。
気象予報士の大野治夫さんは「PM2・5は花粉などにくっつきやすい」と説明。こうした微小粒子状物質は、物と物がくっつく力「分子間力」があるためという。
“悪玉花粉”から身を守るには「マスクが一番」と指摘。「花粉も微小粒子状物質も、マスクのフィルターの穴よりは小さいが、マスクの繊維などにくっつくので体内に入る量は減る。顔とマスクの間に隙間ができないようピッタリと着用すれば、しないよりはいい」と呼び掛けた。
P・M2・5の飛来は日に日に深刻になっている。
福岡市ではPM2・5の濃度が国の基準値(1日平均で大気1立方メートル当たり35マイクログラム)を上回る日が1月に3日間あった。愛媛県内でも同月、松山市など4市の8測定局で基準値を超えた日が1〜7日間あった。北西の季節風が強まった今月7日には関東各地でも観測されており、飛来は今後、全国に及ぶとみられる。
環境省は、日本国内に飛来しているPM2・5について「健康に影響が出るレベルではない」としているが、スギ花粉がピークを迎える3月にはPM2・5の濃度が高くなっている可能性もある。マスクが手放せない春になりそうだ。
▽PM2・5 車の排ガスや工場などのばい煙に含まれる直径2・5マイクロメートル以下の微小粒子状物質。肺の奥まで侵入し、ぜんそくや気管支炎を発症させ、循環器系疾患のリスクを高めるとされる。自動車や工場、石炭火力発電、家庭の暖房などが排出源とされ、中国で急速な経済発展に伴い増加。同国環境保護省は中国全人口の5割弱の約6億人が影響を受けたと発表している。
[ 2013年2月10日 06:00 ]
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