驚き盤撮影台 1

驚き撮影台01_600

12コマの驚き盤を回転させたまま、1コマづつコマ撮りしたように撮影できる撮影台です。驚き盤を手軽に撮影してワークショップ会場のみんなで見ることができると楽しいだろうと考えて製作しました。15コマ、プログレッシブモードという特殊な撮影モードのついたビデオカメラとセットで使用します。
まずはビデオカメラの撮影方式を解説します。





一般的なビデオカメラは1秒間に60枚の画面を撮影しています。この画面を2枚1セットで1コマとして扱います。この方式を「インターレス」といいます。
インターレス方式は2枚の画面で1コマの静止画を作るため、動きのある映像の静止画では下の写真のように2つの画面が重なったようになってしまいます。そして、よく見ると「櫛形ノイズ」というギザギザが気になります。

写真1は回転する驚き盤をインターレス方式で記録したビデオの1コマです。2枚の絵が重ねっています。
写真2はその拡大です。櫛(くし)の歯のような形で1枚目と2枚目の画面が重ねっています。テレビの走査線を互い違いに使って1枚目の画面と2枚目の画面とを描くためです。

写真1
インターレス500

写真2
インターレス拡大500

これに対して、1秒間に30枚の画面を撮影し、1枚の画面を1コマとして使う方式を「プログレッシブ」といいます。プログレッシブ方式は動きのある映像から1枚の静止画を取り出しても画面が重なってみえるようなことはありません。写真3はプログレッシブ方式で回転する驚き盤を記録した1コマです。

写真3
プログレッシブ500


回転している驚き盤を撮影して12枚の静止画を取り出したいので、カメラの撮影モードに「プログレッシブ」モードは必須です。


回転数と撮影コマ数



次に撮影コマ数です。撮影コマ数はモーターの回転速度に関係してきます。
12コマの驚き盤は30°刻みにコマが分かれています。1秒間に30コマ撮影するプログレッシブ方式のビデオカメラが1コマ撮影するごとに30°驚き盤が回転すると、あたかも驚き盤をコマ撮りしたようになります。
この時驚き盤は1秒間に30コマ分回転します。

30コマ×30°=900°

1秒間に900°回転します。1回転360°で割ると

900°÷360°=2.5回転

1秒間に2回転半のスピードで驚き盤を見ている状態です。これでは少し回転が速すぎるので、半分の撮影コマ数のビデオカメラを使います。
ちょっと古い機種ですが、SONYのDCR-TRV900がこの条件にピッタリなカメラでした。プログレッシブ記録モードを搭載した初期のカメラです。恐らく画像処理速度の都合でプログレッシブに切り換えると1秒間の撮影コマ数が15コマになってしまうのです。
1秒間の撮影コマ数を半分にしたので、驚き盤の回転も半分にすることができます。先ほどの計算で1秒間900°だったので、

900°÷2=450°

となり、1秒間に450°回転します。モーターの回転数は1分間の回転数で表示するので、

450°×60秒=27,000°

1分間に27,000°回転することになります。これを何回転したかに換算すると

27,000°÷360°=75回転

75RPM(Revolution Per Minuteの略です)という表記になります。
75RPMという仕様のモーターで驚き盤を回転させれば上手く撮影することができます。

次回撮影台の工作についてご紹介します。

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Author:こどもの城映像科学部門
東京、渋谷にある「こどもの城」の映像科学部門のスタッフです。4階ビデオライブラリー、Bスタジオを中心に映画、アニメーションなどの映像や科学をテーマにした遊びプログラムを行っています。
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