2013年1月22日八劔神社により御神渡りの候補が確認され,年1月25日(金)朝、御渡り神事(諏訪市指定無形民俗文化財)が行われました。
主となる3本の筋が出現し、2012年2月4日(土)朝、八劔神社により”御神渡り”の候補が確認され、2月6日(月)御渡り神事(諏訪市指定無形民俗文化財)が行われました。 一之御神渡り(旧六斗川先→承知川剱先)、二之御神渡り(旧六斗川→小坂→砥川先東)、佐久新海之御神渡り(千本木川先→)
“おみわたり”の呼び名 「神渡(みわたり)」「御渡(みわたり)」「御神渡(おみわたり)」「神幸(みゆき・かんざき)」などがあり、古来は「御渡」の使用が主でした。現在は「御神渡り」が一般的に使われ、神事関連では「御渡り」としています(“り”の送りがなの扱いについては、厳密なきまりはなくケースバイケースのもよう。当ウェブページでは「御神渡り」を使用します)。 御神渡り発生のメカニズム 冬期、気温が低下するなか、諏訪湖の湖面が全面結氷し、寒気が数日続くことで氷の厚さが増してゆきます。さらに昼夜の温度差で氷の膨張・収縮がくり返されると、南の岸から北の岸へかけて轟音とともに氷が裂けて、高さ30cmから1m80cmくらいの氷の山脈ができます。これを「御神渡り」と呼び、伝説では諏訪神社上社の男神・建御名方神(タケミナカタノカミ)が下社の女神・八坂刀売神(ヤサカトメノカミ)のもとへ通った道筋といわれています。この伝説にもとづいて、御神渡りの筋の両端については、諏訪湖の南側(上社側)を建御名方命が下り立ったところということで、「下座(くだりまし。“下御”とも)」と呼び、北側(下社側)を上がったところ、「上座(あがりまし。“上御”とも)」と古くから呼んでいます。御神渡りは『諏訪の七不思議』の一つとしても数えられています。また、氷上に人が出ることが許されるのは、神様の通った後というタブーもありました。 最初に出現した南北方向に走る御神渡りを「一の御渡り」、その数日後、同方向に出現したものを「二の御渡り」(古くは「重ねての御渡り」とも呼んだ)と呼んでいます。また、東岸からできて一の御渡り、二の御渡りに直交するものを「佐久(佐久新海)の御渡り」と呼んでいます。御渡り拝観の神事ではこの3筋の御神渡りを検分しています。(参考文献『諏訪市史 上巻』)
御渡注進状扣(嘉吉3年<1443年>の項) (『改訂 諏訪市の文化財』より転載)
『御神渡を検分する御渡りの拝観は八劔(やつるぎ)神社【写真1】の特殊神事で、一之御渡・二之御渡・佐久之御渡を拝観して下座(くだりまし)と上座(のぼりまし)の湖岸地点の検分を行なう。天和3年(1683)以降の御渡帳は旧高島村役人が務め、4名の拝観人が南の拝み手(おがみて)・北の拝み手の2組に分かれて検分し、この記録を村役人連署の書式で、上社の外記太夫茅野氏に提出している。明治4年(1871)に中断したが、明治26年(1893)に旧儀復活して現在に至っている。 八劔神社の拝観神事の概要は、諏訪湖に御神渡りができると日取りを決め、宮司・氏子総代・古役など70名が自宅の門戸に注連縄(しめなわ)を張り、精進潔斎(しょうじんけっさい)に入る。拝観日の早朝、門戸の注連縄を自分の体にかけて神社でお祓(はらい)を受け【写真2・3】、2組に分かれて御神渡りに沿い湖の氷上を横断【写真4】し、北岸の上座地点を検分してお祓を行なう【写真5】。佐久之御渡りの下座地点と方向を確認して終了、各自の注連縄を湖岸の草木の枝にかけて帰り【写真6】、神前にて奉告祭を行なう。引続き、本年の作柄・世の中の吉凶・気候雨量等の年占を行なう【写真7】。後日に古式により御渡注進状を諏訪大社上社神前に捧げ、注進式を行なう。大社では宮内庁と気象庁に結果の報告を恒例としている。』 (諏訪市教育委員会刊行『改訂 諏訪市の文化財』より抜粋・改変)
(2012年 諏訪市博物館作成) ※拝観式が行われなかった年は 「御神渡り」が 出現しなかったことになります。 (ただし、小規模ながら湖面の結氷が 発生していた年もあります。)
2008年は1月の大寒を過ぎてから諏訪湖の全面結氷がありました。 例年より遅いですが、2年ぶりに御神渡りが出現しました 2008年2月2日、御渡り拝観の神事が行われました!! ◆前回(平成18年)の御神渡りの記録は、こちらをごらんください。
※2月2日の御渡り拝観の神事よりちょうど1週間たちました。 その後諏訪では大雪に見舞われ、湖面の氷の上にも20p以上の積雪があったようです。 そのため、せっかくできた御神渡りも埋もれてしまい、はっきりとした氷裂が見られなくなりました。 ただし、湖面の氷は現状ほぼ全面結氷のようすを呈しています。
御渡り拝観式のようす 2008年2月2日撮影 (画像をクリックすると拡大します)
2008年1月31日撮影 (画像をクリックすると拡大します)
2006年1月25日【写真(3)方向】 (沖の方はかなり氷がとけ、御神渡りも形がくずれてきています。)
◆2006年1月13日朝、八劔神社による「御渡り神事(御渡り拝観式)」がありました。◆
2006年1月10日【写真(3)方向】 (晴天。昨日、御神渡りが確認されたところです。背景は岡谷市街。)