原爆被ばく:日米露が共同研究 チェルノブイリ、核実験踏まえ 広島大教授ら呼びかけ

毎日新聞 2013年02月02日 大阪夕刊

 広島大や米露の研究者ら十数人が近く、原爆投下後に降った黒い雨やほこりなどの放射性降下物や、残留放射線による内部被ばくなど未解明な分野の実態解明を目指す国際共同研究に乗り出す。広島原爆だけでなく、チェルノブイリ原発事故の被災地や、旧ソ連の核実験場があったカザフスタン・セミパラチンスクなどでの知見も踏まえ、原爆炸裂(さくれつ)時に出た初期放射線による外部被ばくだけでは説明のつかない被害の実相を探る。

 広島大原爆放射線医科学研究所の大瀧慈(めぐ)教授(統計学)や星正治・広島大名誉教授(放射線生物・物理学)らが呼びかけ、原爆放射線の健康影響評価をテーマに広島県内で2、3両日開かれる会合で賛同を得る。

 米露で放射線量の評価などを専門とする研究者が加わる意向で、被ばくに関する既存データの共有や情報交換の頻度を高め、原爆投下後に舞い上がったちりやほこりの飛散の仕組みを解明して内部被ばくの線量評価を進める。大瀧教授らが同大に保管されている被爆者のデータを解析したところ、初期放射線量は爆心地からの距離が遠くなるほど減る一方、白血病など造血器系でない「固形がん」の死亡リスクは同心円状には減少しないことを突き止めた。

 星名誉教授は「外部被ばくの放射線量だけでは説明できない倦怠(けんたい)感や脱毛などの症状が出た事例がある」と話す。チェルノブイリ原発事故の研究を続けるロシア連邦医学生物学局のセルゲイ・シンカレフ部長は「原爆と原発事故による放射線の内部被ばくの特性は似ている」と指摘している。【加藤小夜】

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