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発震機構解の図は「震源球」と呼ばれるもので、「断層面」と「放射される地震波の特性(地震波初動の向き)」を、球で表現したものです。実際には、立体的であるものを、平面に投影して描いています。(気象庁では、下半球投影という手法で投影しています。)
ここでは、震源球と断層面の関係を、図1のような逆断層を例にして、解説します。
図1 逆断層の模式図
図1のような逆断層の場合、地震波初動の向きの立体的な分布は、図2のようになります。この図では、赤い線で描かれた面が断層面となります。
図2 逆断層と震源球のイメージ図
気象庁では下半球投影という方法で、立体である震源球を平面で表しています。図3のように、図2の球の下半分を真上から見るイメージです。
図3 図2の球の下半分を上から見る
図3のように、図2の断層模式図と球の下半分を真上から見たときの見え方は、図4のようになります。(赤い線が断層面、青い線は断層面と直交する面)
図4 図3のように真上から見たときの見え方
ここから、断層模式図を取り除けば、発震機構解の図(震源球)になります。
図5のような逆断層(図1の逆断層と直交する面がずれる逆断層)の場合、図6のような震源球となり、図2と同じ震源球となります。この時は、図の青い線が断層面を表します。
図5 図1の断層面と直交する断層の模式図
図6 図5の逆断層に対応した震源球も図2と同じ
このように、1つの発震機構解について、2つの断層面が考えられます。したがって、発震機構解から断層がどのような型(正断層,逆断層,横ずれ断層)であるかを決めることはできますが、どちらの面が断層面であるかは決めることができません(「初動発震機構解の決め方」の項を参照)。どちらの面であるかは、余震活動や地殻変動の状況等から推定します。