今月のメッセージ

皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

三井住友VISAカード、およびVJAグループのイメージキャラクターを務めさせていただくことになりました、宝塚歌劇団・月組の明日海りおです。皆様、これからどうぞよろしくお願いいたします。

宝塚入団前のファン時代から、駅や劇場、プログラムなどでVISAさんの広告をいつも拝見してきました。新幹線に乗るときには、駅の看板の前で記念に写真を撮ったりして……(笑)。ですから、今回お話をいただいたときはすごく驚きました。とても光栄なことですので、精一杯務めさせていただきたいと思います。

先日、カレンダーや看板用の写真撮影を行いました。ファッションも普段着慣れているものとはひと味違いますし、ポーズも型にはまっていない斬新なものだったので、新たなものに挑戦したという感覚がありました。例えばパーティーや衣装でしか着る機会がない真っ白のスーツなど、さまざまな衣装を設定に合わせて撮影させていただき、楽しかったです。カードを手に持っての撮影も、想像していたよりも持ち方や見せ方が難しかったりと、いろいろと発見がありました。

これからは、このホームページを通して、そのときどきの心境やお稽古の状況などを親しくお知らせできるのではと思います。そして、宝塚歌劇のことをより興味をもっていただき、実際に劇場に来てくださったらうれしいです。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

とても充実した、濃厚な1年でした。

2012年を振り返ってみると、とても濃厚な1年でした。まず始まりは、霧矢大夢さんと蒼乃夕妃さんの退団公演『エドワード8世』『Misty Station』。組の空気がとても温かく、1日1日を噛みしめるように過ごした公演でした。霧矢さんの秘書官の役でしたので、最後まで近くで勉強させていただくことができ、とてもうれしかったです。

その後が、まさきさん(龍 真咲)とちゃぴ(愛希れいか)のトップコンビお披露目公演『ロミオとジュリエット』。ロミオとティボルトを役替わりで演じました。役替わりの経験はありましたが、これまでにないほど、両方の役の比重が大きく、覚えなければならないことの量も半端ではなく……。これ以上大変な役替わりはないだろうと思っていたら、次作の『ベルサイユのばら』で、それ以上のものがやってきました(笑)。……それはさておき、ロミオとティボルトはどちらも演じ甲斐のある役で、役を深めていくことがとても楽しかったです。役に浸りすぎて切り替えは難しかったのですが、大好きな作品で役に没頭できたことは、とてもいい経験になりました。

11月のバウ公演『春の雪』では、演じる松枝清顕のイメージがお稽古の中盤までつかめず苦労しました。大正時代の男性ならではの考え方、彼独特の感じ方など、感情の振り幅が激しく、理解できない部分も多かったからです。まず、ひたすら膨大な台詞と歌を覚える作業を進め、そういうなかで場面を整理し、改めて原作を読み直したりしました。やがて周りの共演者が役を固めて生き生きとしてくると、清顕としての感情が流れ、吹き出す瞬間がだんだんと生まれてくるようになりました。

バウ公演の単独主演は2作目で、プレッシャーや不安もありました。2度目なので焦っている姿を見せたくないと意識することにより、さらに自分を追い込んでしまい、苦しみました。ですが、作・演出の生田先生の作品への愛情を感じながら、三島由紀夫作品の独特な世界にみんなで取り組めたことは大きな収穫となりましたし、また1つ大切な思い出が増えました。そして、役としての本質を追求したうえで、男役としての見せ方を探っていくことが大事なのだと、感じることができました。

そのほかにも、好きなことをたくさん盛り込み、みんなで必死に稽古したディナーショーも宝物のような思い出です。今年は、千秋楽を迎えるたびに別れが寂しくなるような、役にどっぷり浸った公演ばかりでした。やり甲斐のある役にめぐり会い、充実した日々を送ることができ、とても幸せです。

『ロミオとジュリエット』で新生月組が始まった当初は、立場も変わり、これからどうすればいいのかと、ものすごく不安でした。そしていま、月組はまさきさんの影響を受けて、アグレッシブで意欲的、元気とガッツのある雰囲気です。そのなかで、私自身も自分の果たすべき役割を一生懸命やっていきたいと思っています。

そして、年明けからは『ベルサイユのばら』ーオスカルとアンドレ編ーも始まります。いま稽古場は、フリルやレースの着いたお稽古着、娘役の色とりどりのスカートで華やか。数々の名曲も流れていて、一気に“ベルばら”ワールドです。豪華な衣装やセットに見合う大きなドラマが描かれているので、その大きさを満たすための作業が、いま難しくもあり楽しくもあります。

さて皆様は、2013年はどんな年にしたいですか? 私は、メリハリのある年にしたいなと思います。無理にいい格好をせず、自分らしく、でもやるときはとことんやる。そんな笑顔の1年になればいいなと思っています。

本年もお世話になりまして、ありがとうございました。2013年も、どうぞよろしくお願いいたします!

※このメッセージは、12/3(月)に届いたものです。