2006年03月24日 20:10 [Edit]
ブログは自動ストック機能付き
ところが、ブログに限らず、ネットメディアはことごとくストックとなりうる。
FIFTH EDITION: フローメディアとストックメディア一方で、ネットに関しては
フローメディアに当たるのは
各種ポータル、ブログ、SNS、掲示板など。
ストックメディアに当たるのは
wikiしかないようにも見える。
「全てのフローはストックとなりうる」のは、実は既存のメディアだって同じだ。捨てずに取っておけばいい。フローのつもりで購入した雑誌のバックナンバーがあとで高値で売れたなんてことは日常茶飯事でもある。
しかし、既存のフローメディアは「在庫コスト」がべらぼうに高い。一年分はおろか一ヶ月分の古新聞をためておくことすら通常耐えられない。既存のフローメディアがフローに甘んじていた最大の理由が、この在庫コストだったと結論づけてもいいだろう。
この問題は、ネットにおいてはかなり初期から解決していた。にも関わらずストックメディアとしてのネットが注目されだしたのは比較的最近の出来事だ。それには二つの理由がある。
一つは、ストックがその性質上、ある程度時間をおいてからはじめて価値を実感できるということだ。ネットの歴史を考えると、ストックに目がいかなかったのも当然といえる。時間的価値が生じるには、文字通り時間が必要だったのだ。
そしてもう一つの、ずっと重要な理由は、検索エンジンの台頭である。ストックから価値を引き出すには、そのストックがどこにあるかを知らねばならない。「<レイダース 失われたアーク」(←のDVD収録)において、アークがどのように失われたかを覚えているだろうか?そう。博物館の収蔵庫の奥深くに死蔵されたのである」。これを解決したのが、検索エンジンというわけである。
賢明なpalさんは実はそのことに気がついている。
余談だが、検索サービスだと
ヤフーやgoogleの検索は、ストック的要素が強いように思う。
そう。彼らの価値は、ストック化したかつてのフローを引き出す、「ストック流動化装置」であるということにつきる。彼らの高時価総額の源泉はこれにつきると言ってもいい。彼らは「情報銀行」のATMを押さえているのだから。ATM利用者には無料でサービスを提供しても、銀行からだって金は取れるし実際そうしている。
フローがストック化する局面において、最も強いのはその逆のフロー、ストックのフロ−化を担う者だというのは、金融も情報も変わらないようだ。
blogにおいては、実はトップページはあまり「ポータル」の役割を果たしていない。本blogのはてブ状況を見ると、それがとてもよくわかる。トップページは何と12位であり、ここでは「サイトよりも個別entry重要」ということがはっきり示されている。
実際私自身、過去のentriesを新規entryのためによく参照するのだが、それも検索エンジン経由だったりする。site:http://blog.livedoor.jp/dankogai/を検索語に一緒に指定するだけでいいのだから簡単だ。blog owner自身がそうしているのだから、他は推して知るべしだろう。
blogはある意味、ストックを意識せず自らの発言をストック化できる、じつにおきらくごきらくなツールということも言えよう。ただし、注意点が一つある。
blogにおいては、後にストック化した時の価値を決めるのは、「フロー時代」にどれだけ価値があったかということ直結しているということだ。
これに関しては、「あとで書く」メソッドを適用することにする。
Dan the Rolling Stone with Tons of Moss