星野監督、体罰について東京スポーツで語る
自分では「悪いことをしていた」という認識はまるでないんだろうな。
“闘将”星野監督が「体罰問題」を語る 「このままじゃ指導者はどんどん“事なかれ主義”になっていく」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130208-00000303-tospoweb-base&1360290325
もちろん、お前が言うなで終わる問題ではあるんですけど、私も過日、ヤフーのほうで体罰について語ったとき、体罰を純粋悪とする人からクレームを貰ったりもしました。
体罰と教育
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20130115-00023070/
ある意味、時代の流れというのがあって、星野監督も選手の気質の変化を見ながら指導法を変えて、生き残ってきたという点では優れたリーダーではあるのでしょう。その一方で、体罰が容認されてきた体育会系へのノスタルジーというか、懐古主義のようなものがあって、いわゆる(暴力を含む)強い指導で組織を引っ張るマネジメントを理想としていることに変わりはないようです。
良かった。これこそが、私たちの知っている本来の星野監督だ。
星野監督までもが「体罰は絶対悪」とか言い出して勝ち馬に乗る言動をはじめたらどうしようと思っちゃったんだよね。やっぱり、プロ野球を見て育ったものとしては暴力監督と言えば闘将星野だ。このイメージだけは壊してはいけない。体罰の結果としての自殺は否定して見せつつも、行き過ぎた体罰批判が指導者を事なかれ主義にするという絶妙な意義の見出し。それは自己擁護を多分に含むものだとしても、星野監督としては自分のしてきたことと、いまある社会的な体罰批判の高まりとの間で一番妥協できる余地を工夫するとこういう言動になる。なるほどねえ。
職場で大人の選手を殴っておいて、教育の基本は幼児時期と言い切る、この取り返しのつかなさ。駄目な大人を叱責するのに「お前は幼児教育がなってなかったんだ」っていうのでしょうか。いいですねえ、星野監督。
それに、体罰ができなくなると指導者が無責任になるのだそうです。論理的にまったく破綻しているんですけど、星野監督なら確かにそう言いかねない、つまり殴ってでも正道復帰させる指導者こそが偉大とする理想が、彼の中に聳え立っているのでしょうね。
やっぱり星野監督は星野監督でした。それが分かっただけで、私は満足です。東スポはいい仕事をしました。いや、東京スポーツは昔からいい仕事をし続けています。これからも頑張っていただきたい。
本当にありがとうございました。
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“闘将”星野監督が「体罰問題」を語る 「このままじゃ指導者はどんどん“事なかれ主義”になっていく」
東スポWeb 2月8日(金)11時25分配信
体罰・いじめで持論を展開した星野監督
大阪・桜宮高バスケ部員自殺に端を発し、柔道日本女子代表監督の辞任騒動など、いま世間では体罰・いじめ問題が大きな論争を呼んでいる。こうした中、楽天・星野仙一監督(66)が一連の騒動以来初めて自身の考えを激白した。かつては「鉄拳制裁」がトレードマークでもあった闘将は今後、厳しい指導ができなくなるであろう状況に“事なかれ主義指導者”が増えることを危惧。いじめ問題についても「すべては幼児教育なんだ」と持論を展開した。
「最近はテレビも新聞もええニュースがないなあ。どこ見ても体罰・いじめや…」
春季キャンプのため沖縄・久米島で過ごす星野監督は順調な調整を進める選手たちに目を細める一方、今や社会問題となっている「体罰・いじめ」について自ら口を開くと急に顔をしかめた。
では、この問題をどう考えているのか――。「柔道界のこともよくわからんし、これはオレの考えだよ」と前置きした上で次のように続けた。
「『体罰だ! いじめだ!』と言うけど、選手なんかは指導者から言われるうちが花やないか。それだけ親身になってくれているということ。このままじゃ指導者はどんどん“事なかれ主義”になっていくぞ。何かあっても『私は関係ありませ~ん』だよ。ただ、死んだら(選手が自殺を選ぶほど体罰をしたら、その指導者は)負けよ。それはアカン!」
選手を自殺に追い込むほどの体罰は絶対に起こしてはならない。だがその半面、今回の騒動で指導する側の肩身が狭くなっていくことが予想されるため、問題が起きた場合でもそっぽを向く無責任な指導者が今後増えていくことを懸念しているという。
「鉄拳制裁」でも知られる星野監督だが、特に血気盛んだったと言われる中日時代を知る球界OBも「『おまえの顔の形、変えたろか!』と怒られるんだよ。実際にボコボコになった選手もいた。でも、それは期待されている選手だけだったし、理不尽ではなかった。その後のフォローもちゃんとあったしね」と打ち明ける。現代には“喝”の入れ方もわからない指導者が多いことに、日本一の熱血指導者は寂しい思いを巡らせているようだ。
さらに話は、いじめ問題にも及んだ。「一番怖いのは、いじめがあったことを生徒にアンケート取って、生徒たちが『いじめを目撃した』と答えていることだよ。なんで止めないんだよ。止めたら、いじめの標的になるから? じゃあ、みんなで一緒に、大人数で止めたらええやないか」
いじめによる自殺問題では、いじめに気づかなかった学校側の責任が問われる事例が多い。この点についても星野監督は首をかしげる。
「すべては幼児教育なんだよ。親が、ちゃんと教育せい! 学校にいるより、家にいる時間の方が長いんだよ? いじめない子供に育てるのもそうだけど、いじめられている側の親が子供の異変に気づかないのも問題。(親子の会話があれば)自殺は食い止められるんじゃないかな」
仮にプロ野球選手になっていなかったら「教師の道を選んでいた」とも語る星野監督。これが「闘将の教育理論」だ。