2013/02/06(水曜) 21:51

日中の領土問題

日中の領土問題

ホセイニー解説員

日本の安倍総理大臣が、中国の軍艦が海上自衛隊の護衛艦にレーダーを照射していたことについて、危険な行為だとしました。フランス通信によりますと、安倍総理大臣は6日水曜、参議院本会議で、この中国の措置を遺憾だとし、「この種の措置は、不測の事態を招きかねない」としました。日本の小野寺防衛大臣は前日の5日、中国の軍艦が先月、東シナ海で、海上自衛隊の護衛艦にレーダーを照射していたことを明らかにしました。

 

日本政府は、冷静に慎重な態度をとると表明しています。安倍総理大臣は、その目的は地域に不必要な困難な状況が生じるのを抑えることにあるとしましたが、政治問題の専門家は、「この表明は中国に対して日本が退くことを示すものではない」と考えています。

日本外務省は5日火曜、中国の程永華駐日大使を呼び出し、尖閣諸島の海域に中国の海洋巡視船2隻が侵入したことに抗議し、これに関して説明を行うよう求めました。しかしながら、程大使は、日本の抗議を受け入れず、「尖閣諸島とその周辺の海域は中国の領土、領海の一部だ」と主張しました。程大使は、日本外務省の斎木外務審議官と会談し、「中国の海洋巡視船は現在、中国の領海において通常の巡回活動を行っており、日本に対して、中国の規定の巡回活動に干渉しないよう求める」と述べました。中国国家海洋局は、今回の巡視船2隻の活動を、規定の巡回だとし、日本の海上保安庁の警告を無視しました。

中国がこのような立場をとる一方で、安倍総理大臣は、尖閣諸島周辺の海域での中国の行動を挑発行為だとしました。これ以前、中国政府も、国益と領土を守るために、経済利益ですらも放棄する用意があると強調していました。

現在、両国の貿易額は4000億ドルをこえています。日本が中国に莫大な投資を行っていること、それに対して日本にとって中国が大きな市場であることから、両国は互いに重要な国となっています。しかしながら、過去とは異なり、地域の新たな状況、とくにアジア太平洋での治安状況は、"中国と日本はそうしたことを無視して関係を調整することはできない"という状況を生じさせています。

アナリストの多くは、世界や地域の新たな状況は、両者の衝突の拡大において決定的な役割を担っていると考えています。現在、アメリカは国益を脅かす最大の源は中国だと見ています。このためアメリカは東アジアで、同盟国を支援することで、中国をけん制するため、一連の軍事同盟を結成しており、このことは日中の対立を煽っています。アメリカは地域で自らの新たな軍事戦略を実施するため、日本と台湾の協力により、地域レベルで、ミサイル防衛システムを設計、計画しています。その主な目的は、北朝鮮と中国のけん制となっています。

このミサイル計画は、世界の幅広い範囲で実施されているアメリカのミサイル防衛計画とは別物です。アメリカは地域の新たな軍事計画に、インドやオーストラリア、台湾、韓国のほか、日本の幅広い協力を求めています。これにより、中国を封じ込める上での日本のアメリカとの協力は、日中の関係にマイナスの影響を及ぼし、他の分野での両国の対立を拡大しています。

これにより、政治専門家の多くは、日中の現在の領土問題は再度日本を歴史的な決定の重要な段階に向かわせています。日本は、アメリカの軍事協力によって中国に抵抗していくのか、それとも独立した軍事政策をとり、中国などアジア諸国と協力することで、アジアの新たな治安体制に重要な役割を果たしていくのか、どちらを選択するのでしょうか。

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