「好きを仕事にする」とはどういうことか

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2013/02/08


ざっくり言うと…

・みなさんは何が好きですか?
・その「好き」には、安定した職業が提供されていますか?
・安定した職業が用意されていない場合、創意工夫が求められるでしょう。
・「好きを仕事にする」と、みなさんはそのことを「好き」じゃなくなる可能性があります。
・「好き」な気持ちを持ちつづけたとしても、たゆまぬ努力をすることが求められます。
・覚悟はありますか?


「好きを仕事にする」って一つのキーワードですよね。ぼくも大好きな方向性です。


「好きを仕事にする」2つのパターン

まず前提として、「好きを仕事にする」には2つのパターンがあることを理解しましょう。

パターン1. 「好き」なことに、安定した職業がすでに用意されている場合
パターン2. 「好き」なことに、安定した職業が用意されていない場合

話はシンプルです。たとえばぼくが「外科手術」が「好き」な人間だったとしたら、そこには「医者」という安定した職業がすでに社会に用意されてるので、比較的用意に「好きを仕事にする」ことができるでしょう。

一方で、たとえばぼくが「仏像の鑑賞」が「好き」だったとします。この場合は職業として「仏像鑑賞家」というものが存在していない以上、「好きを仕事にする」のはなかなか困難です。

いわゆる「好きを仕事にする」というキーワードが指すのは、ほとんどの場合「パターン2」だと思います。ゆえに、ここからは「パターン2」について主に言及していきたいと思います。


「好きを仕事にする」には「創職」が必要

安定した職業が用意されていない場合は、まず、みずからマーケットを作り出すことが求められます。

「仏像の鑑賞が好きな人」は、それを本当に仕事にしたければ、かなりの創意工夫が求められるでしょう。たとえば仏像ブログを作って、仏像好きのための有料コミュニティを形成してみたり。仏像マニアがうなるツアーを計画して、そこから収益を得たり。

まだ職業として成り立っていないので、「創職」が必要になってくるわけですね。製品開発だけでなく、市場環境も重要です。市場環境として「仏像好きが世の中に自分だけ」だとしたら、やっぱり仕事にはならないわけですね。そのため「創職」はうまくいくこともあれば、いかないこともあると思います。


関連して、まだ市場がなかった「ボーイズシンクロ」を仕事にした、平澤さんの話はとても興味深いのでぜひ。

ぼくは自分が楽しいと思えることを仕事にしてご飯を食べさせてもらっている。

仕事にならなかったことを仕事にしたぼくが信じたことは、たったひとつ。

自分の感性に正直に生きること。

大好きなボーイズシンクロが “仕事” になった理由。 | ShinyaHirasawa.me


好きを仕事にするには「覚悟」が必要

「好きを仕事にする」というのは、創意工夫だけでなく、同時に強い「覚悟」が求められます。


その理由は「競争の苛烈さ」です。

ほとんどの場合、みなさんが「好き」なことには、膨大な数の競争相手が存在します。ぼくが大好きな「書く」ということに至っては、人類すべてが競争相手ともいえます。

音楽やスポーツなんかも、競争が苛烈な領域です。いくら好きでも、いくら市場を捉えるセンスがあっても、そう簡単には「好きを仕事にする」ことはできないでしょう。


こうした苛烈な競争のなかにあって、必要なのは「どこまで”好き”を”好き”でいられるか」「世界一を目指す気力を持って、努力を続けられるか」の2つだと思います。

苛烈な競争を生き抜くための努力をしていると、「好き」だと思っていたことを、好きでいられなくなる瞬間が出てきます。「あれ、こんなことがやりたかったのかな…」という迷いが出てくるわけですね。

たとえば、みなさんが「文章を書くのが好きな人」だとします。で、「好きを仕事にする」ために、プロのライターを目指しはじめてみる。いくつか仕事も受注できて、手応えも感じることができた。

…でも、たぶんみなさんは、途中で「あれ、本当にこんなことがやりたかったのかな…」と疑問を持つようになると思います。うまく自分をコントロールしていかないと、自分の「好き」が、「仕事」によって消耗されていってしまうのです。これが進むと、「文章を書くのは、やっぱり趣味にとどめておこう」と諦めてしまうことになります。

ぼく自身は、幸いにして文章を書くことを嫌いになったことはありません。文章を書いている時間は、いちばんの癒しであり、知的好奇心を満たしてくれる幸福な瞬間です。


また、「仕事にしよう」と考えた上で、「好き」を抱きつづけることができたとしても、そこには相変わらず苛烈な競争がまっています。この競争を生き抜くには、本気で世界一を目指す向上心と、たゆまぬ努力が求められます。

一流の人は、とにかく淡々と「正しい努力」を続けることができます。しかも、我慢しながらではなく、楽しみながら、自分の力を少しずつ、少しずつ高めていくのです。

とはいえ、凡人であればあるほど、やはり努力が辛くなる瞬間も出てきます。いわゆる「スランプ」ですね。ぼくもしょっちゅう陥ってます(今もまさにスランプ中…)。

スランプに陥ると、「世界一を目指す向上心」は折れそうになります。「好きなんだけど、これ以上は頑張れそうにない」と。そこで折れてしまうような人間は、「好きを仕事にする」ことはできないのでしょう(と、自分に言い聞かせておきます…)。


と、つらつらと書いてみました。やっぱりぼくは書くことが好きです。うーん、いつまでももの書きを続けられればいいのですが…。


関連本。こちらの本も読んでおくと、より「好きを仕事にする」ことへの理解が深まると思います。


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