有料メルマガ『むしマガ』が人気急上昇中の、元NASA研究員・堀川大樹さん。地上最強動物といわれる“クマムシ”研究の第一人者で、なんと現在はパリの大学の研究員。そんな堀川さんの「クマムシメルマガ」は世界初?!
そんな堀川さんの有料メルマガの人気の理由を分析し、メルマガ読者数を増やす方法を探っていきます。
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読者を惹きつける件名を |
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一般には馴染みのない『クマムシ』。今回の堀川さんのメルマガは、そのクマムシの実験について説明しているものですが、堀川さんにかかると人気漫画「ドラゴンボール」を絡めた内容に! 件名が「クマムシ天下一武道会」とは、否が応でもワクワクした気持ちでメールを開かずにはいられませんね!
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★むしコラム「クマムシ天下一武道会」
本日は、僕自身がこれからやろうとしているクマムシの研究計画についてです。
研究者がとった未発表のデータや、これから行う予定の研究計画は、研究室外の人間には口外しないのが通常です。アイディアを盗まれて、ライバルに先に発表されてしまう恐れがありますから。
なのですが、まぁ、今回の計画は、バラしたところで真似をする人も、真似をできる人もあまりいないと思うので、ここに公開します。
さて、やろうとしていることは、ずばり「弱いクマムシを強くする」ことです。
どういうことかというと、クマムシにも強いのと弱いのがいるのですね。乾燥に強いのと、弱いのが。僕が見つけて飼育しているヨコヅナクマムシは、その名の通り横綱級に乾燥に強いです。一方で、ドゥジャルダンヤマクマムシ(Hypsibius dujardini)という種類は乾燥に弱いのです。乾かすと死んでしまいます。
正確にいうと、イギリスの「Sciento」という会社が飼育維持し販売しているドゥジャルダンヤマクマムシの系統は、乾燥耐性が無いものと思われてきました。
このドゥジャルダンヤマクマムシ、飼育では藻類を与えておくとすごい勢いで繁殖し、とても増やしやすいです。
そして、この系統のドゥジャルダンヤマクマムシは、池の中から捕獲されました。池の中という、常に水で満たされていて、乾燥することのない環境に棲む系統のクマムシなので、乾燥耐性も発達していないと予測できます。
学会発表や論文を見ると、これまでに外国のいくつかの研究室で、ドゥジャルダンヤマクマムシが乾燥耐性があるかどうかが調べられてきたようです。
ですが、この種が乾燥に耐えたという発表は、未だ出ていません。
僕もNASAにいた頃から、ヨコヅナクマムシの比較対象としてドゥジャルダンヤマクマムシを使ってきました。両者を用いて乾燥実験をすると、ヨコヅナクマムシは乾燥しても死なない一方で、ドゥジャルダンヤマクマムシは死んでしまいました。
ところがある日、実験机に放置し忘れていた、カラカラになったドゥジャルダンヤマクマムシの飼育寒天培地に水をかけてやると、一部のドゥジャルダンヤマクマムシが復活してきたのです。
次回に続く・・・
【再送】むしマガ Vol.121 2013/01/31【クマムシ天下一武道会】より抜粋
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通常は研究室外には口外しないという研究計画、なんとメルマガで説明してくれています! こういう“レア感”も、読者を惹きつける要因の一つなのではないでしょうか。
次回は本格的に実験の説明を紹介しますので、ご期待下さい!
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