【ひかり】
「……考えなかったの? あんたが傷ついていくのに綾女がずっと耐えられるか……考えなかった?」
……そうか、それを見逃してた……逃げろって言われたってそりゃ逃げる訳ないか。
逆の立場なら俺だってそうしてただろう……つまり、そういう事だ。
【綾女】
「…………」
俺と姉貴の間に綾女姉ちゃんが立ちふさがる。
綾女姉ちゃんは真っ直ぐ姉貴を見ている……駄目だ、敵うわけない。
【ひかり】
「さて、と……綾女、今日は遠慮しないから……少し乱暴でもバッジ、奪うわよ?」
【綾女】
「……出来るなら、すれば良い」
姉貴の言葉に綾女姉ちゃんは全く物怖じせずに、ただ立ち塞がり続ける。