PC-98シリーズへのWindowsのインストールはAT互換機へのインストールよりも複雑です。
PC-98用WindowsはPCを起動したドライブにしかインストールできないという制限があるためです。つまり、AT互換機のようにフロッピーからDOSを起動してインストールを行おうとしても先の制限のためWindowsはフロッピーにしかインストールできないということになります。もちろんそんなことは不可能です。そこで、いったんWindowsをインストールするHDDにDOSを転送しておき、そこから起動してインストールを行います。
というわけで、ここではその方法を紹介します。また、ここでWindowsとはWindows95、98を指します(NT系はまた違います)。
[必要な道具]
1.WindowsをインストールしたいPC-98パソコン
2.WindowsのインストールCD-ROM
3.起動用フロッピーディスク または すでにWindowsがインストールされたPC-98
4.若干でいいのでDOSの知識
[インストール手順]
1. まず、起動用フロッピーを持っていない方は、すでにWindowsがインストールされたPC-98を使って起動用フロッピーを作りましょう。「コントロールパネル」の「プログラムの追加と削除」を開くと「起動ディスク」タブがあるので、そこで作ってください。
2. 起動ディスクでPCを起動します。
3. ハードディスクの初期化、フォーマット(FDISKで領域を開放してまた確保しなおしたりした場合はフォーマット前に再起動。また、インストールしたいハードディスクが起動可になっているか確認)
4. 「sys X:(Xはハードディスクのドライブ文字、フロッピーで起動している状態ならおそらくBだと思います)」コマンドを使ってMS-DOSをハードディスクに転送
5. ハードディスクに「himem.sys」、「mscdex.exe」、「kkcfunc.sys」、「neccdX.sys(お使いのCD-ROMドライブを認識してくれるものを。neccda. sys〜neccdm.sysまであり、X mate以降のPC-98(ValuestarやR mate)であればneccdm.sysが該当するのではないでしょうか)」をコピー(コマンド:copy 「ファイル名」「コピー先のパス(ドライブレター)」)
6.「autoexec.bat」、「config.sys」も同様にハードディスクにコピー。ただし、コピーした後以下のように編集(フロッピーの中にedit.comというファイルがあるはずですので「edit b:\autoexec.bat」のようにしてファイルを開き編集します。ただし、フロッピーの中のオリジナルのほうのファイルは編集しないでください。あくまでもコピーのほうを。どうしても難しいなら編集はしなくても結構です。一応それでも実行できるはずです)。
ちなみに僕は編集がめんどくさいので、Windows上で以下のように書いたテキストを作成しそれぞれ名前を「autoexec.txt」、「config.txt」とし、起動フロッピーにコピーしておいて、2つをハードディスクにコピーした後
A:\> ren autoexec.txt autoexec.bat
A:\> ren config.txt config.sys
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という風にしてリネームしています。こうすれば、わざわざDOS上で書き換える面倒がなくなるので便利です。
autoexec.batファイルの内容
@ECHO OFF
PATH A:\COMMAND
MSCDEX /D:CD_101 /L:Q
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config.sysファイルの内容
FILES=30
BUFFERS=10
LASTDRIVE=Z
SHELL=A:\COMMAND.COM A:\ /E:1024 /P
DEVICE=A:\himem.sys /testmem:off
DOS=HIGH,UMB
DEVICE=A:\NECCDX.SYS /D:CD_101
DEVICE=A:\KKCFUNC.SYS
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↑ちなみに上の記述をそのまま書くとCD-ROMはQドライブという設定になります
7. フロッピーを抜いて再起動。
8. CD-ROMにアクセスして「setup」と入力し、Windowsのセットアップを開始。以下は普通のWindowsと同様です。
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