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ミュージックフォーマット MOD について

注)2000/07/11 時点の情報に基づいた内容に、若干の加筆修正をしたものです。 現状とは合致しない可能性があります。

概要

  • MOD とは

  • MOD とは、海外のパソコン Amiga 上で生れ、 発展したミュージックフォーマットの事です。 進化の過程で、S3M形式 / XM形式 / IT形式 などの様々な亜流の形式が登場しましたが、 総称して MOD と呼んでいます。

  • MOD の特徴

  • MOD は、音色を定義するサンプリングデータと、 音を並べて曲を作るためのシーケンス情報から構成されます。

  • MOD のメリット

    • 再生結果が再生環境に依存しない

    • データファイル内に音色データを持つので、 MIDI 等の様に使っている機材毎に再生結果が異なるという心配がありません。

    • データサイズが小さい

    • 楽曲の構成はシーケンスデータで定義されるので、 mp3 等のストリーミング系のフォーマットに比べ、 データサイズを小さくできます。

  • MOD のデメリット

  • MOD のデメリットは、フォーマットが曖昧で、 しっかりとした統一仕様や公開資料が無いため、 再生ソフト毎に再生結果が異なる場合があるという点です。

    ゲームの BGM に用いる場合は、 再生ソフトをアプリケーションに内蔵してしまえば良いので、 再生ソフト毎の差異の問題は考える必要は有りませんが、 例えば MOD データを単体で WEB 上で配布するような場合は、 推奨再生ソフトをしっかり指定しておく必要があります。

  • MOD データの作り方

  • MOD データ作成ツールは、一般的に Tracker と呼ばれています。 OpenMPT がオススメです。 こちら からダウンロードできます。

    標準 MIDI 形式のデータを作った事がある方は、 OpenMPT にそのデータをドラッグして放り込んでみて下さい。 瞬時にコンバートが完了し、MOD として再生可能になります。 コンバート自体は不完全ですが、 OpenMPT の機能を理解する良い手がかりになると思います。

  • おすすめ再生ソフト

  • 2000年6月現在、ModPlugPlayer がオススメです。 こちら から入手可能です。

搭載機能

MOD形式 / S3M形式 / XM形式 / IT形式 で差がありますが、 搭載機能は概ね以下の様なものです。
  • 多チャンネル同時発声
  • ポルタメント
  • ボリュームスライド
  • パンスライド
  • サンプリングデータのループ再生
  • サンプリングデータの各種エンベロープ指定
    • 音量の変化を示すボリュームエンベロープ
    • パンの変化を示すパンエンベロープ
    • 音程の変化を示すピッチエンベロープ
  • 音階ごとのサンプリングデータ差し替え

構成要素

MOD データは以下に挙げる要素で構成されています。
  • Note

  • 音階、音色、音量、エフェクト等の情報をまとめたものです。

  • Pattern

  • 1小節相当の演奏内容を記述したものです。 全チャンネルの Note を記述した Row と呼ばれる単位を羅列したものが、この Pattern です。

  • Sequence

  • Order とも呼ばれます。 Pattern の演奏順序を数字の羅列で示したものです。 例えば
    Pattern 1 -> Pattern 2 -> Pattern 1 -> Pattern 3
    の順序で演奏したい時は、Sequence は「1 2 1 3」となります。

  • Sample

  • サンプリングデータ、つまり音色の波形データです。 ループ再生の指定等が可能です。

  • Instrument

  • 音色データです。以下のような情報を含んでいます。

    • サンプリングデータ番号(音階毎に設定可能)
    • 各種エンベロープの形状
    • 自動ビブラートの形状
要約すると、 音階(=Note)と音色(=Sample & Instrument)の情報を羅列して、 1小節(=Pattern)分のデータを作ったのち、 小節の並び順(=Sequence)を定義することで、全体の楽曲が定義されます。


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