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射撃管制用レーダーとは
2月5日 19時29分

小野寺防衛大臣は緊急に記者会見し、東シナ海で、先月30日、中国海軍のフリゲート艦が、海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用のレーダーを照射していたことを明らかにしました。小野寺防衛大臣は「大変異常なことであり、一歩間違えると危険な状況に陥ることになると認識している」と述べ、外務省が中国側に抗議したことを明らかにしました。

射撃管制用レーダーとは

射撃管制用レーダーは、艦艇に搭載されたミサイルなどを発射するにあたって、目標に照準を合わせ追尾するために照射されるものです。今回のケースでは、ミサイルなどは発射されず、その前の段階のレーダーを照射したということです。
射撃管制用レーダーは周波数が高いのが特徴です。海上自衛隊の護衛艦には、相手から照射されたレーダーを感知して周波数を分析するシステムが備えられており、今回もこのシステムで射撃管制用のレーダーを照射されたことを確認したものとみられます。また、照射を受けた可能性があるヘリコプターでは、当時警報が鳴ったということです。
中国海軍の艦艇が、こうした行動をとった背景には、尖閣諸島周辺の警戒を強めている自衛隊をけん制するねらいがあったものと考えられます。

専門家の見方は

元海上自衛官で北京の日本大使館で防衛駐在官を務めた経験を持つ東京財団の小原凡司研究員は「射撃用管制用レーダーを向けることは、攻撃ができるということを相手にも知らせる行為であり、極めて危険な行為だと言わざるをえない」と指摘しています。
その一方で、「日本と中国の間ではどのような行為が相手から危険な行為だと受け止められるのかお互いに経験が蓄積されていない。自衛隊の護衛艦の行動が中国側に危険だと映り、それに対する警告だったのか、あるいは単なる挑発だったのか、冷静に判断する必要がある」と述べ、日中双方が冷静な対応をすべきだと指摘しています。

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