中国軍のフリゲート艦が先月、東シナ海で自衛隊の護衛艦に射撃用の管制レーダーを照射した。海上自衛隊のヘリコプターにも同様の行為があった、とみられる。
射撃管制用レーダーの照射は、発射ボタンを押せば、攻撃を仕掛けることができる状態である。偶発的な軍事衝突に結び付きかねない極めて危険な行為であり、強く抗議する。
安倍晋三首相は「一方的な挑発であり、極めて遺憾だ」と表明した。日本政府が中国に強く抗議したのは当然だ。ただ、国民を巻き込んで日中の対立がエスカレートする事態は何としても避けたい。
日中両政府は自国で排外主義が勢いづかないよう細心の注意を払い、再発防止に向けた冷静な話し合いを尽くしてほしい。
尖閣諸島を国有化して以来、日中関係は波立つことばかりだが、相次ぐ領海侵犯や今回の軍事的威嚇は度を超えている。中国は自制すべきだ。武力に訴えても、日中両国はもとより、国際社会にも何の益ももたらすまい。東シナ海を挟んで中国と向き合う沖縄にとっては重大な事態だ。
中国は、事実関係と責任の所在を明確にした上で、レーダー照射は行き過ぎた行為であることを率直に認めるべきだ。挑発を正当化することがあってはならない。
現場は東シナ海とされるが、領有権問題で揺れる尖閣諸島の周辺海域である可能性が高い。
長崎県の佐世保基地所属の海自艦がこの海域まで出張り、中国軍艦船とわずか3キロの距離でにらみ合う構図があったことも驚きである。自衛隊の行動について、日本政府は国民にできる限り、説明すべきではないか。
日本と中国の防衛当局は、尖閣諸島を含む東シナ海のトラブル回避に向け、ホットライン開設など連絡網の構築で合意していたことも明らかになっている。それが機能する前にレーダー照射が起きた。
自衛隊と中国人民解放軍の艦船、航空機などの偶発的衝突を避けるメカニズムを整え、一刻も早く稼働させるべきだ。冷静な外交対話で再発防止策に実効性を持たせてほしい。
中国の習近平総書記は先月末、山口奈津男公明党代表に「ハイレベルな対話が重要だ」と述べ、首脳会談による打開に意欲を示したばかりだ。今回の事態で、対話を基調にこじれた日中関係を改善する芽を摘んではならない。
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