“傍若無人”上杉隆の横暴で、自由報道協会がいよいよ崩壊中!
サイゾー 1月30日(水)14時4分配信
このところテレビ出演や雑誌の連載などで注目を集める半面、「週刊文春」での、安倍晋三首相の選挙事務所に関する捏造記事(09年2月26日号)や日刊ゲンダイの連載などで、被災地や原発に関する明らかな事実誤認をするなど、記事の捏造や盗用が多い人物としてインターネットでは批判を集めている上杉隆氏だが、今年も目が離せなさそうだ。
さまざまな批判がされる中で、2012年末話題になったのが「読売新聞記事剽窃問題」だ。11年3月23日付「ダイヤモンド・オンライン」と上杉氏の著作『国家の恥』(ビジネス社)で使用された「3月23日現在、原発事故への各国政府の対応」という表が、「著者調べ」として掲載されたが、これが11年3月19日付の読売新聞朝刊に掲載された「自国民に対比を求めている主な国・地域」という表に酷似しており、上杉氏が盗用したのではないか、という疑惑が持たれている一件だ。
この記事剽窃問題に関して、上杉氏を批判した池田信夫氏やアゴラブックス、池田氏のブログを掲載するBLOGOSの運営会社・NHNなどに対し、上杉氏が名誉毀損の訴えを起こしており、法廷までいけば、綿密な検証がなされるだろう。だが、上杉氏は、自身のHPやツイッターなどで「調査を行い盗用の事実がないことを第三者立ち会いのもと確認した」「報告書を出します」と発信しているにもかかわらず、その後それらしきものは出ていない様子だ。
ある自由報道協会会員は「剽窃問題が持ち上がった後、上杉氏の逃げ回り方はひどかった。協会で行われた会見の仕切り役を、別の会員に押し付けていたほどです」と語る。
そんな上杉氏に対する批判の声は日ごとに増しており、ネット上では『上杉隆氏についての検証』なるサイトが有志の手で立ち上げられている。ここには、「ハワイで環境基準の43倍のセシウムが観測された」など、これまで彼が手がけた原発関連の手ぬるい取材による言説や、NHK及びニューヨークタイムズでの経歴に関する検証など、同氏がウェブやメディアで起こした問題が、ほぼ網羅されている。
だが、こうした批判の高まりに対して同氏は、落ち込むどころか、「『宣伝になる』と喜んでいる」(同)という話もあるから手がつけられない。
■元広報も見捨てた!?ブログで心情を吐露
このように、すっかり“お騒がせな人”と化している上杉氏だが、そんな彼の“牙城”でもある「公益社団法人 自由報道協会」でも会員の脱会が続出するなど、崩壊の兆しをみせているようだ。
自由報道協会は、上杉氏を代表に、ジャーナリストの江川紹子氏や神保哲生氏なども、設立メンバーに名を連ねるなどして話題を呼んだ。フリーで活動する記者やジャーナリストが集まり、月数回の記者会見を開き、ニコニコ生放送を駆使するなど、既存の記者会見にはない”自由”な報道を標榜して注目を集めた。
そうした理念に共感したのか、設立当初から、震災時の首相だった菅直人氏、ソフトバンクの孫正義氏、そしてチベット仏教の最高位、ダライ・ラマ14世など、政財界から海外の要人まで、多くの人物が同会の会見を利用してきた。
だが、そうした実績に反して、同会発足当初から所属記者が次々と脱会していく。例えば、江川紹子氏は12年1月の段階で、同協会が主催し、小沢一郎氏が受賞した「第一回記者会見賞」に反対し、会を抜けている。
「その後、津田大介氏なども、次々と脱会していった。さらに、12年10月に理事を辞任した田中龍作氏は、自由報道協会有志の会で企画・編集した『自由報道協会が追った3・11』(扶桑社)の印税を、一部の会員が中抜きしたという疑惑が持ち上がり、これに対して内部で争いがあったことをツイッターなどで、暴露。また、インターンの学生が、会員が争うのを見て絶望し、インターンを辞めたことなども配信した」(同)
これら田中氏の発言を元にして、会員や元会員がツイッター上で争うさまが話題になり、“自由報道協会、いよいよ崩壊”と、話題になったのだ。一連のやり取りはツイッターの発言をまとめるサービス・トゥギャッターなどにまとめられている。
さらに12年の大みそか、これまで上杉氏の“側近”と思われていた、自由報道協会元広報の畠山理仁氏が、自身のブログに「私が自由報道協会を辞めた理由」というエントリーをアップし、再び話題になっている。
畠山氏はこのエントリーの中で、自由報道協会の理念を崇高なものとして共感しつつも、そうした理念を守るために、自らの仕事や生活を犠牲にして運営に関わってきた苦労を、15の章にわたって綴っている。
その中の『【10】会員個人の活動について』という項目で、同氏が同会を脱会した理由のもうひとつのポイントとして、くだんの「記事剽窃問題」が取り上げられている。そして、明示はされていないものの、上杉氏に対する不満が退会の原因となったことが読み取れる。
ここで畠山氏は「記事剽窃問題」に対して、「私は協会の理事として上杉氏本人から直接説明を聞きたいと考え、理事会を開いて説明をしてほしいと提案をしました」と直接本人に訴えたものの、本人からは「今、弁護士に見てもらっています。週明けには報告書を出せます」と言われたが、結局、報告はない状態のまま。そこで、理事会の招集を提案したが、理事数人から「『会員個人の活動に協会が関与するべきではない』という協会の理念に反する」として反対を受けてしまった。
「畠山さんは、上杉さんが問題としてネットなどで取り上げられるたびに各所から『協会の広報として説明責任があるのでは』と言われてました。その半面、上杉氏は説明する様子もないことにウンザリしていたようです」(別の自由報道協会会員)
設立からもうすぐ3年になる自由報道協会。その間には、東日本大震災などもあり、また、報道の新局面を開くという意味では、一定の役割を担ってきたといえるだろう。
だが「ある団体が会見を申し込んで話が進んでいたが、何度も会見を先延ばしにされ、いつまでたっても話が進まない。内部の職員たちも相当混乱しているのでは?」と憤る会員もおり、その内情もゆらいでいるように見える。
そして、あるドワンゴの社員から「話に信ぴょう性がないから、ニコ動の番組では使いづらい」とさえいわれる代表の上杉氏。新年から数回にわたって、HP上に、「注意報」と題する告知を掲載し、被災地に関する同氏の発言が捏造であるという疑惑に対して、言い逃れを図っているが、無用な混乱を招かぬよう、きっちり決着をつけてほしいものだ。
(文/編集部)
最終更新:1月30日(水)14時4分
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