そらいろつうしん Last Update: 2012/07/11 First Update: 2012/03/18   ※BLKおぢさんとこのリンク修正。


シェルパのレギュレータを流用してみた

バイクの電気はクランクに直結したオルタネータ(交流発電機)で作られる。
発電した交流電気を直流に変換し、
バッテリーの充電電圧を一定に制御するのがレクチファイア・レギュレータの役割。
二輪の場合、省略して“レギュレータ”と呼ぶことが多い。

レギュレータがパンクすると、
バッテリーが上がったり、ヘッドライトやウインカーのバルブが切れたりと、
電装系の部品が芋づる式に壊れていく。

SRXの…というか、'80年代のヤマハのレギュレータはよくパンクすることで知られており、あまり評判が芳しくない。
しかし、レギュレータのパンクは他の車種でも割とあるトラブルだ。
20年以上前に生産された車両であることを考えると、
一度くらいのトラブルで「信頼性が低い」と断ずるのは、ちょっとヤマハに気の毒な気もする。
そらいろ号('85年式)のレギュレータも12年前に一度パンクしているけれど、
前オーナーが交換していないと仮定して、少なくとも15年間はノントラブルだった。

そして、そのときに新品にしたレギュレータも、既に12年使用している。
「そろそろ交換したほうがいいんじゃないですかね?」というのが今回のお話。

箱までみどりいろとゎ

用意したのは、何故かカワサキ スーパーシェルパのレギュレータ(笑)


   部品番号:21066-1108 
   部品名:レギユレ-タ(ボルテ-ジ)
   税込単価(税抜):8,883(8,460)円
   (※2012年3月15日現在)


SRX乗りはヘンなひとばかりなので、壊れても素直に純正新品ではなく、
より低価格で信頼性の高そうな他車種のレギュレータを探し、流用加工して装着している例が多い。
(中でも比較的メジャーなのは、同じヤマハのXJR400用だろうか)


【先人たちの偉業リンク】BLKおぢさんとこgizmoおぢさんとこ


僕も先人の例に倣い、何か一工夫しようと検索してこれを見つけた(笑)

シェルパのレギュレータは、端子形状とサイズ(ねじ穴の位置)がヤマハと一致する。
付け加えるなら、製造元も同じ新電元工業だ。

これでボルトオンなら言うことなしなのだけれど…、ざんねんながら、そーはいかなかった。

初期型SRXの発電機は単相交流式。
対して、シェルパを初め、現在の中型以上のオートバイの殆どは三相交流式なのだ。
当然ながらレギュレータの内部構造が違うんだよね。

立派な冷却フィンがいい感じじゃないですか。 レギュレータの回路は、樹脂だかゴムだかで護られている。 パーツばんごうぉ

初期型SRX(1JK)のレギュレータと、シェルパのそれを並べてみる。
本体が一回り大きく、冷却フィンが付いているのがカワサキの特徴です。

エンジンが高回転で回っているときは、オルタネータの発電量も大きい。
過剰電気はレギュレータの中に組み込まれた抵抗を通過させることで抑制しているのだけれど、
このとき発熱するため、走行中のレギュレータはかなりの熱を帯びる。
だから、大抵の場合、レギュレータには冷却フィンが設けられていて、
1JKみたいに、“軽量化命!”的な形状は逆に珍しい(と思う)。

シェルパのレギュ、フレーム固定ならアース不要なんじゃない? デイトナさん、地味ながら良い仕事♪ 配線はHu-techでわけて貰った

BLKおぢさんとこで、三相用のレギュを単相に使用しても、
端子がいっこ余るだけで何ら問題はない
ということは事前に知っていました。(先人の功績に感謝!)

配線の違いはこんな感じ。
シェルパのレギュ(三相交流式)は白が一本多く、黒(アース線)がない。
レギュ本体がアースになっていて、黒の配線をボルトで共締めすることによりアースを取るのだ。
なかなか合理的ですねw

ありがたいことに、近頃は形状が特殊なコネクターも二輪用品店でふつうに手に入る。
ちゃっちゃとコンバート・ハーネスを作成しますよ。

先に買ったのはFK-1。FK-5は後から見つけた。 個人的には、もう少し先端がコンパクトであって欲しい。 初期型SRXのレギュレータはシートカウルの下。
スペースがあるからって、
ここにメンテ用のウエスとか詰めちゃうと、
熱がこもって危ないよw

makotoさんが愛用するエビ(LOBTEX)の電工ペンチ。
ペンチ自体に充分な厚みがあり、精度もしっかりしているので、とてもキレイに端子をカシメられる。
二輪の整備用として個人的にお奨めするのは、右のFK-5。
カシメが先端に付いているとこがポイント。狭い場所での作業に有効です。

1JK用のレギュはベースプレートの固定ボルトを避けるために角を落としてある。
シェルパ用はふつうに長方形だから、同じ場所にそのまま付けようとすると、ボルトと干渉する。

正確には「飛馬さんに開けてもらった」なのだが。 市販のねじはサイズが5mm単位だからねえ。 ワッシャが中古だw

しようがないので、ベースプレートに新しいねじ穴を開けました。
(ひとつ前の写真は、旧いレギュをもとの位置に固定して撮影したものです)

レギュレータ本体の高さも違うので、もとの固定ボルトは使えない。
M6×25mmの汎用ステンねじで仮り組みすると、ベースプレートからちょっぴりはみ出しちゃった。
アース端子+ワッシャ一枚を噛ますことで対処。

コンバート・ハーネスを外せば、純正も使える。 トリクル充電後で元気いっぱいのバッテリー♪ ノーマルでも似たような数値です。

装着完了。早速、動作テストです。

イグニッションオフの状態で、バッテリー端子電圧は12.6V前後。
アイドリングで14.5V前後。3,000rpm〜4,000rpmだと14.6V前後で安定している。
S/Mの基準値は2,000rpmで14.8V±0.5Vですから、うん、まあOKじゃないすかね♪

しばらく使ってみて、不具合があれば報告するです。

…ところで、初期型SRX(1JK)の純正レギュレータを、
ヤマハの部品検索サービスでひいてみると、次のようになっている。

   部品番号:1JK-81960-A1
   部品名:レクチフアイヤアンドレギユレータアセンブリ
   価格(税込):7,991円
   (※2012年03月15日現在)

シェルパのレギュより安いorz


…さらに調査を進めてみると、
台湾ヤマハ製マジェスティ125のレギュレータが、今回用いたシェルパのレギュと同一形状で、
しかも、某オクにて新品が2800円で買えてしまうことがわかった。

Made in Japanではないけれど、
ヤマハの純正部品であることに変わりはないし、何と言っても約1/3の価格は魅力的。
送料を計算に入れて、スペアを購入してもお釣りが来る。

オクより高くなりますが、ヤマハに発注してもふつうに取れるようです。

   部品番号:5AG-H1960-00 
   部品名:レクチフアイヤアンドレギユレ−タアセンブリ
   価格(税込):6,153円
   (※2012年03月15日現在)


…というわけで、

1.ヤマハの純正部品の方が安価で
2.ボルトオンのつもりがそうはいかず
3.同じもの(台湾製)が1/3の価格で手に入る


みごとな三段オチが付いたところで今回のレポを終わりますor---z


そらいろ通信のTOPへ

home