運命の出会いと僕の永遠のクソゲー「いっき/FC」
レビューリミックス2005+思ひ出編+にっきの中の「いっき」編
(レビューリミックス2005)
既に意味がわからない。
存在自体が意味不明で理解不能。
見てくれよ、このカセット。
この凛々しい農民!インパクト抜群のオカマ、
絶好のチャンスで農民を狙う忍者!
隠れながらそれを狙う農民!
農民何人おんねんってところに
「おもしろおかしい時代劇ゲーム」ですよ。
パッケージの時点でツッコミどころが多すぎです。
「いっき」
というタイトルですから「一揆」、昔から農民などが
重税などに耐えかねて、力をあわせて反乱を起こすアレですけど
このゲームは農民らしき人が、一人二人で
突如迫りくる忍者にカマを投げてなぎ倒しながら
落ちてる小判を8枚拾ってステージクリアしてゆくというサイコゲームです。
「農民らしき人が〜」って書いたところまでは
なにか正解な気がしましたが、
その後何を書いてるのか自分でもわかりません。
まずファミコンに電源を入れると、おもむろに現れるのは
小学生が描いたような残念な背景、壮大なグラフィックです。
スペシャルサンクス息子、図画工作レベル。
プレイヤー数を選んでスタートボタンを押すと
テケテケテケテーテケテーとかわけのわからん音楽が流れてきて
10秒ぐらいプレイヤーを挑発し続けます。
これが非常に怒りを掻き立てます。
そしてゲームが始まると同時に忍者が手裏剣を投げながら
あらゆる方向から襲い掛かってきます。
プレイヤー人数は3、忍者や手裏剣に触れると
テッテテッテテ〜とか死ぬほどバカにされながら死にます。
まあでも忍者は自動照準のカマで大体撃墜できるので
初心者でもギリギリ大丈夫な難易度なんですが
これで調子こいて、そこら辺にいきなり落ちてる
必殺アイテム「竹やり」なんて取ったら大変なことになります。
上一方向に突き出す竹やり、
四方八方から次々に襲い掛かる忍者
罠だ!!
もう明らかに罠です。
一定時間の間、上一方向しか攻撃できません。
使える使えない以前に罠です、この武器。
どうやったら標準が飛び道具の武器に
竹やりでパワーアップさせようと思うのか
シューティングゲームにエクスカリバーとか出てきた気分です。
攻撃力とかあれば話は別ですが、
もちろんどれでも全員一撃です。
ちなみにパッケージの主人公はえらい自信満々な顔で
思いっきり竹やりもってますが、これは非常にピンチです。
既に罠の中です。上一方向しか攻撃できないために、
後ろから忍者メチャメチャ狙ってます。
「竹やり」ねえ。戦時中のゲームなのかなこれは。
2面ぐらいから、オニババのようなものや
オバケ、あとパッケージのオカマが現れます。
こいつらに取り憑かれると、
一定時間攻撃できなくなるか動けなくるの
どちらかのステータス異常のようなことになります。
コイツが非常に厄介。
まあ動けなくなるのはカマを連射すればいいので
大して困りはしないのですが、攻撃できなくなるのはヤバイ。
このゲームは言ったとおり、やたら出てくる忍者を
丁寧に殺しながらゆっくり進むのが基本のゲームです。
殺られる前に殺れ、少しの油断も許されない。
攻撃できないということはすなわち丸腰、
迫りくる忍者に殺され死亡です。
ってことは取り憑かれなければ
大丈夫なんじゃないって思われますが
オバケはともかく、このクソオカマ、
動くスピードが主人公より圧倒的に速いですし
もちろん攻撃なんて効きません、当たり判定すらないよ。
見つかったら残念、障害物に逃げ込むか
動けなくなるよう願うしかないですよ。なんたるゲームだ。
ちなみにオカマ以外は障害物を飛び越えます。
まあ一定時間ですから、しばらく経てば離れますが
たまに運悪くバグってるのか
ゲームオーバーになるまで離れなくなることがあります。
あくまで俺が体験した時間ですが
ゲームオーバーかクリアまで離れません。
キチガイです、このゲーム。
あと一定時間経つと赤い忍者とか出てきます。
この赤忍はもっとも危険なキャラクターです。
経験の少ない人は確実にコイツに一度はやられます。
この赤は血の赤です。
もう普通の忍者とはスピードが全く近く違うわけで
主人公の3倍くらいのスピードで襲い掛かります。
ゴリ押しで進めるのは確実に無理です。
来たら連射するか逃げながら距離をとって潰すと。
言うまでもないですが、なんてゲームバランスだこれは。
もう信じらんない!
しかしイカレてるのはゲームバランスだけじゃありません。
既に気づいていると思いますが
数ステージある中を小判拾ってクリアなあたり
どこが一揆やねん
って究極のツッコミなんですが
このゲーム途中、「殿」が出てきます。
コイツが一番意味不明、ゲームの存在意義に混乱を巻き起こします。
一番偉いこの「殿」がステージをおもむろに徘徊しているわけですが
この「殿」触ってしまうと、ステージクリアです。
なんだろう?この違和感は。
今までの流れから「触ってしまうとゲームオーバーです。」とか言いたいのですが
ステージクリアなんですよね。クリア。信じらんない。
触った瞬間、クリアしたときのあの笑顔が、
しかも「殿」もメチャメチャ笑顔なんです、なんで?
このゲーム「一揆」なんだからさ
この悪の大将をぶっ殺せば解決だと思うんですが
なんでみんな仲良しで次のステージやねん。
もうこいつらファンキー過ぎ。
結局、全4ステージすべて同じシステムで
スピードアップの大根やご存知竹やり、
無敵分身できる葉っぱなど色々なアイテムを駆使し
進んでいくわけです。
ちなみに最後のステージですが
大名の屋敷がステージです。
遂に乗り込み未だ迫りくる強敵を次々になぎ倒し
小判を全部集めたーやったー!
これで遂に全クリだー!
このゲームの謎が遂に解けるぞ・・・!
さあエンディング
と思ったら1ステージにー
っていうファミコン定番のオチなわけですがね。
それは仕方がない、やむをえない。
最初の「おもしろおかしい時代劇ゲーム」という
ところに話は戻りますが
この終始置いていかれるゲームのハイテンションさに
「おかしいのはおまえたちだけだろうが!」
と、昔は思ってましたが、
今ではこんなにおもしろおかしいゲームに
出会ったことなんてあったっけなんて思ってます。
既に俺の頭がおもしろおかしいことになってると
思われてそうですが、もう一度言っておく
これほど素晴らしいゲームはないよ。
ちなみにこのサン電子という会社の
サンソフトから出されてるわけですが、
これも含めた数本しかゲームを作れず
家庭用ゲーム自体なかったことになったらしいです。
ごめん、もう全てが面白い。
(思ひ出編)
ほんの数年前、安くファミコンを入手し
第二次ファミコンマイブームを起こして
その中で偶然出会い、クソゲーブームに変えてくれたのがこのゲームでした。
友達にファミコンのカセットを借りて回ってるところで
恐ろしいほどのインパクトを持つカセットに琴線をやられ
偶然入手したこのゲーム。
この信じられないセンスにクオリティーの低さ
意味不明な展開が盛りだくさんのこのゲーム
初めて「クソゲー」に燃えた瞬間だったのかもしれないです。
実はこれが有名なクソゲーだったことも知らずに
友達とメチャメチャ盛り上がってて
これほどのクソゲーがあってたまるかと
ひたすらこのクソっぷりを体験しました。
その中で、これを越えるゲームをひたすら探したものですが
多分今現在でも、これを超えるほどのシンプルで
純粋にひたすらクソゲーなゲームには出会ってないと思います。
思えば借りたゲームの中で唯一
友人に金を払って買い取ったゲームでした。
今思えば、このサイトができたのも
このゲームが起源でした。
一番最初に作ったページがファミコンコラム
そして一番最初のタイトルが「いっき」。
これは数年間、今までずっと忘れていたことです。
世の中に無数とあるファミコンゲームの中のクソゲーというジャンル、
そのクソゲーのトップに君臨してもいいであろうこのゲームに
偶然出会えたことを俺は誇りに思います。
(にっきのなかの「いっき」編)
【2003年8月19日(火)の日記より】
そうそう。その店で恐ろしいものを見てしまいました。
その店は少なからずファミコンのソフトを扱っていて
最近はどうも場所を増やしてレアソフト売って
一儲けしようという魂胆みたいですが
その価格がひどい。
一番高かったソフトは何だと思いますか?
ドラクエ?違う違う。
FF?違う違う。
くにおくん?違う違う。
アイスクライマー?違う違う。
南国指令SPYvsSPY?違う違う。
もっともっとマニアックな奴?
全然違うよ。
そのゲームの名は「いっき」
価格はなんと
3980円!!!
FFシリーズよりぶっちぎりです。
FF2あたりが2980円じゃなかったっけな?
ふざけんじゃねえよ。
近いうちまたファミコラムでも書こうと思いますが
この価格でいっきを買った人はどうなるんですかね?
俺ならその日のうちに発狂して
近くの薬局で店員に通報されるほど
硫黄買いまくりますがね。
【2004年5月5日(水)の日記より】
そうそう、結構前にですね
近所の中古屋さんに行ったんですね。
最近経営がヤバイのか、ホント必死なこの店
立ち読み客は寄り付くものの
商品を買う人はいないみたいな
客は多いがレジが暇な切ない雰囲気。
大々的にいろんなコーナー
(Vブームに乗じた「ドラクエコーナー」
「ドラゴンボールコーナー」など)をたくさん作って
さらには50円コーナーとか作ってて
ジャンクらしいバイオハザート2とか
巨人の星(状態が悪すぎるレアコミックス)とか
ドラゴンボールのセル篇の面白い巻
(カバーがなくてビクトリーマグナムのキラシール
とか貼りたくりな上に色あせて汚い奴)
など、客引きにもがんばっています。
ほら、必死でしょ。
富山一の高価買取を実施中
らしいです。
しかし、こんな大それたこと言っちゃって
いいんですかね?
そもそもこういう店の商品の流通ってのは
商品を売って利益を得ることで成り立つわけで
「いっき」を一番上の段の真ん中において
8月19日なんて真夏から半年以上ずっと
3980円なんて頭がどうかしてるような
ダントツブッチギリ価格で売り続けてる店に
買取価格ナンバーワンも未来もないと思う。
ちなみに隣の「ドクターマリオ」が2000円
下の「じゃりン子チエ」が2980円。
一時期ハマって結構レアゲーに
詳しいつもりでしたが
じゃりン子チエがそんな高価なソフトだとは
全く知りませんでした。聞いたこともない。
店の表を「課長バカ一代」が一冊350円くらいで
ドラゴンボール完全版と肩を並べてたもんなあ。
ちなみにヤフオクで調べてきました。
コレね。
不景気は大変ですね。
不景気でもがんがれ!中古屋!
ヘビーユーザーの清水国明!
【2004年5月20日(火)の日記の話題提供フォームより】
◆投稿者 匿名さん
「衝撃!! あの伝説のクソゲー『いっき』に
ストーリー付きのアーケード版が!!
http://www7.ocn.ne.jp/~bacube/oldgame28/ikki.html」
バババババ、バカなァッッ!
本当に百姓一揆だったのか。
二人で迫り来る忍者を鎌を投げて
バッサバッサと切り倒して
全ての小判を回収したらクリア!
変なババアに捕まったら
攻撃不可能or移動不可能判定、
大根食えば速度二倍
葉っぱを使えば分身の術で無敵
全ての悪の根源の悪代官に
触れれば何故かみんな笑顔でクリア。
なんでひらがななんだろう。
これ究極。
【2004年8月20日(金)の日記より】
そうそう!!!!思い出した!
とてつもない偶然が起こってさ。
ホントちょうど一年前の昨日、8月19日。
近所の中古屋で「いっき」ってクソゲーの値段が
3980円で、うわーキチガイみたいに高すぎ
ふざけんな殺すぞ!って言ってたんですが
昨日、ちょうど一年前その話をしてたことも
知らずに、その店に行ったんですね。
いつ行っても3980円で、この店終わったなって
思ってたんですが、昨日なんと2000円に
値下げしててさ、スゲー!ついにやった!って
言おうと思ってたんですよ。
もはやシリーズ化の勢いで報告してたから。
そんで、もう一年も経つんだなあ。
月日の経つのは早いなあ。
もう嫌になるくらいに早い。誰か時を止めて。
【2004年11月18日(木)の日記より】
「今日のベスト写真」のコーナー。
地元新聞記事です。
義務教育費を2006年から削減するそうです。
それで「地方軽視なら一揆(いっき)も」て。
鎌とか投げながら小判集めたり
殿を捕らえる前にもっとやることはあると思います。