内部被曝のリスクと今行われていること
ツイッター@mariscontact
***被曝問題翻訳家、ジャーナリスト、2歳児の母。99年に米科学者から原発の「電源喪失事故」のシナリオを聞いて以来、反原発活動。首相官邸、欧州議会、IAEAへの直訴、TBS報道特集の「地震と原発」番組企画など。元原子力資料情報室国際担当。母は福島県人出身。『低線量内部被曝の脅威』、『人間と環境への低レベル放射能の脅威』を肥田舜太郎氏と共訳、その他に『原発閉鎖が子供を救う』。肥田舜太郎著『内部被曝』解説執筆。
最近になって国際機関と日本政府、さらに御用学者と御用医師、御用市民活動家が一緒になって進めている「福島エートス」の話を知り、怒りを抑えられず、ツィートをしまくっている。←嫌がらせも多いが、火の粉をかぶりながら発信するほうが、情報が広がることを発見しました! (2012年8月26日)
エートスについてはこちらを→http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2012/07/ml-6-ml-17-13-httpyoutu.html
放射能問題にめざめたきっかけ
私が放射能問題に初めて気づかされたのは、98年にイラクの赤ちゃんの写真展を見たときでした。放射能による遺伝的影響が罪のない赤ちゃんに如実に生じている画像を見て、涙が止まりませんでした。99年に原発の危険性を知ってからは、福井の原発労働者に直接話を聞きに行ったりしました。壮絶な話に言葉を失ったのを覚えています。今回の福島原発事故の真の被害を知るには、やはりチェルノブイリの被害を学ぶ必要があると思いますが、映画チェルノブイリハートやチェルノブイリ関連のブログや本を読む必要があります。それにしても、いまだに原子力を推進している各国政府、および国際的な放射線防護機関は、100mSV以下はあまり健康被害がないように宣伝していたり、さらに私が驚くのが、「放射線による遺伝的影響は動物では証明されているが人間では証明されていない」ということになっています。これ自体が壮大なまやかしであり、非常に非現実的で非科学的なものであります。
東日本で放射能による健康被害が出てきている
2011年6月初頭に、被爆医師の肥田舜太郎さんからお手紙をいただき、「すでに東京で多くの人々が、低線量被ばくとみられる症状(鼻血、下痢、だるさ、紅斑や紫斑などの皮膚疾患、甲状腺の腫れなど)が出ている、竹野内さんが沖縄に行ったことは正しい選択であると」、書いてありました。
実は、私も、3月15日の一番放射能が濃厚であった時期に息子と共に屋外にいたため、体調を二ヶ月近く壊しました。私や息子の場合は完全に呼吸器系からの内部被曝で、風邪の重い症状が続きました。私は39度台の熱が8日間続き、息子は10回以上の発熱を繰り返しました。咳や痰も長く続き、感染症にもかかりやすくなっています。
実は、私も、3月15日の一番放射能が濃厚であった時期に息子と共に屋外にいたため、体調を二ヶ月近く壊しました。私や息子の場合は完全に呼吸器系からの内部被曝で、風邪の重い症状が続きました。私は39度台の熱が8日間続き、息子は10回以上の発熱を繰り返しました。咳や痰も長く続き、感染症にもかかりやすくなっています。
肥田先生によれば、低線量被ばくと思われる症状は、関東地方や遠くは山梨、静岡でも見られるそうです。福島県では35%以上の未成年者の甲状腺エコー検査で三割の児童にのう胞やしこりなどの異常が発見されたと言います。また、東京・千葉の高汚染地域でも幼児の異型リンパ球が発見されています。
内部被曝は呼吸器系からでも、消化器系からでも今後ずっと続く健康障害を引き起こしてしまうでしょう。子どもたちの将来の命と健康のため、一刻も早い対応が望まれます。これは私たち市民のみならず、行政も、民間企業も交えてやらねばならないことだと思います。以下に内部被曝について、重要な点を5つにまとめます。
1.
外部被曝と内部被曝を混同し、リスクの過小評価
最近、環境中のホットスポットは注目されるようになっていますが、いぜんとして、体内のホットスポットが十分注目されていません。そのような中、先日、欧州放射線リスク委員会(ECRRと呼ばれ、原子力産業の利害に関係のない独立系の研究者が世界各国から終結した組織)、の科学事務局長クリス・バズビー氏が、内部被曝の危険性について、絶妙な比喩を使って表現しました。「内部被曝の危険性は、暖炉の前で暖まることと、その暖炉の中にある炭火を口の中に入れるのとでは、体に対する影響がまったく異なることと同じ原理である。」体内に取り込まれた飛距離の短いアルファ線、ベータ線は、特に危険です。飛距離が短い分、周辺の細胞に継続的に影響を及ぼすからです。そして、あまりマスコミで言われませんが、ガイガーカウンターやホールボディーカウンターでは内部被曝は正確に計測できないことも根本的な問題です。
2.日本政府がよりどころとしているICRP(国際放射線防護委員会)基準自体が問題
よくTVなどのマスコミに出てくる専門家の意見が、安全を過小評価しているのではないか、という不安を持つお母さんたちは多いと思います。そういう声に対して、体制側から必ず出てくるのが、ICRP(国際放射線防護委員会)の基準に準じているので信頼できる、という回答です。まるで水戸黄門の印籠のように使われるICRP基準。果たして本当に信頼の足るものなのでしょうか。
2009年、ICRPの科学事務局長を20年務めたJack Valentin博士は、「内部被曝による被曝は数百倍も過小評価されている可能性があるため、ICRPモデルを原発事故に使用することはもはやできない。また、体制側にある放射線防護機関は、チェルノブイリのリスクモデルを見ておらず、誤った評価をしている」と言明したそうです。ICRPのトップが退職後にこのように暴露したこの事件は、非常に重大です。この会見は、ビデオテープに記録されています。(http://vimeo.com/15398081)
3.100mSV以下でも健康に被害はある
100mSV以下であれば健康に被害はない、さらには、妊婦や子供でも大丈夫、と主張する専門家が多くいらっしゃいます。ところが、低線量の被曝で、上に凸の曲線を描いて影響が高まる事象は、「ペトカウ効果」として知られていますが、今では広く認知され、「逆線量率効果」という専門用語にもなっています。海外の多くの研究でも明らかにされており、『人間と環境への低レベル放射能の脅威』で詳述されているのです。
なにもこれは、独立系の科学者たちだけが主張しているのではありません。体制側である放射線医学総合研究所編著『虎の巻 低線量放射線と健康影響-先生、放射線を浴びても大丈夫?と聞かれたら』でも、この逆線量率効果については明記されているのです。ちなみにこの本の中には、上に凸のグラフが三箇所も用いられています。「最近発達している分子生物学的な知見により、低線量でも影響が急激に高まり危険である可能性がある」、という研究は、すでに体制側にも浸透している科学的な事実なのです。是非ご覧ください。疫学的にも、2005年に15カ国の被曝労働者を対象にしたWHO国際がん研究機関で行われた調査で、10mSVでもガンのリスクが有意に検出されたと結論されたという引用もあります。
4.日本における高すぎる基準値
ドイツ放射線防護協会(www.strahlentelex.de)は以下のような提言を掲げています。
乳児、子ども、青少年に対しては、1kgあたり4 Bq以上のセシウム137 を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1kg あたり8Bq 以上のセシウム137 を含む飲食物を摂取しないことが推奨される。
日本での飲食物の管理および測定結果の公開のためには、市民団体および基金は、独立した放射線測定所を設けることが有益である。
「ドイツの基準値はあまりにも厳しいのではないか」、という声も聞かれるかもしれません。そんなことはありません。ベラルーシにある民間の研究所であるベルラド研究所副所長のバベンコ博士も日本での講演で、「子どもはゼロベクレルを目指すべきだ」と明言しています。
ちなみに公式発表であっても15-20Bq/kg体内にあると、子供にとって危険領域なのです。同様に、セシウムの残存量についても、ICRPの公式発表のグラフがあります。一日たった10ベクレルのものを取り込んでいても、30kgの子供さんですと、100日たたないうちに危険値である600ベクレル(20Bq/kg×30kg)に達してしまうのです。
また、一日1Bqであっても、長期に摂取すると大人でも体内に180Bq蓄積します。子供は大人よりも臓器も小さく、同じ汚染地帯で済む大人と子供を比べたところ、子供の方が影響が大きいのは、病理解剖の結果からもわかっています。
私はこのグラフを日本全国の医師に今すぐ見てほしいと思っています。皆さんからもどうぞ広めてください。
ICRP Publication 111 (2009) より
もうひとつ、決定的な問題があります。個々の核種についての毒性が語られていないことです。ここではセシウムとストロンチウムについてみていきます。
************************************
セシウム
今話題となっているセシウム137(半減期30年)は、始めにベータ線を出してバリウム137(半減期2.5分)になり、それから安定的なバリウム137になります。ベータ線対ガンマ線の比率は、5対2であり、ベータ線による内部被曝を起こすのが深刻です。ちなみにホールボディーカウンターは、ガンマ線のみしか計測しません。
ストロンチウム
ストロンチウム90は半減期29.年で、ベータ線を放出してイットリウム-90(90Y、2.67日)となり、イットリウム-90もベータ崩壊してジルコニウム-90(90Zr)となります。1ヶ月後には、ストロンチウム-90とイットリウム-90の放射能強度は等しくなります。ストロンチウムからのベータ線は水中で1cmも飛び、また、摂取されると一部は排出されるものの、大部分が骨に取り込まれ、体に対するダメージは大きいです。また皮膚に付着すると、外部被曝にもなります。ベータ線のみを出すので、ホールボディーカウンターで測定できません。
*
***********************************
セシウムとストロンチウムの毒性 (できましたら行政、医療保健関係者の方々にお見せください)
セシウムの毒性に関しては、大変重要な書物が2011年12月に合同出版より発行されています。元ゴメリ医大学長、ユーリ・バンダジェフスキー著『人体に入った放射性セシウムの医学的生物学的影響』です。
食物中のセシウム摂取による内部被曝の研究がほとんどない中、バンダジェフスキー博士は、大学病院で死亡した患者を解剖し、心臓、腎臓、肝臓などに蓄積したセシウム137の量と臓器の細胞組織の変化との環境を調べ、体内のセシウム137による被曝は低線量でも危険との結論に達しました。以下に要点をまとめます。
また彼の2009年に書いた論文も以下のページにありますので広めるとよいです。http://peacephilosophy.blogspot.jp/2011/09/non-cancer-illnesses-and-conditions-in.html
体全体への影響
*
セシウム137の体内における慢性被曝により、細胞の発育と活力プロセスがゆがめられ、体内器官(心臓、肝臓、腎臓)の不調の原因になる。
*
大抵いくつかの器官が同時に放射線の毒作用を受け、代謝機能不全を引き起こす。
*
セシウムの濃度に応じて、活力機構の破壊、たんぱく質の破壊が導かれ、組織発育が阻害される。
*
セシウムの影響による体の病理変化は、合併症状を示し、長寿命体内放射能症候群(SLIR)といわれる。SLIRは、セシウムが体内に入ったときに現れ、その程度は入った量と時間とに相関する。
*
SLIRは、欠陥、内分泌、免疫、生殖、消化、排尿、胆汁の系における組織的機能変化で明らかになっている。
*
SLIRを引き起こすセシウムの量は、年齢、性別、系の機能の状態に依存するが、体内放射能レベルが50Bq/kg以上の子供は機関や系にかなりの病理変化を持っていた。心筋における代謝不調は20Bq/kgで記録された。
*
汚染地帯、非汚染地帯の双方で、わずかな量の体内セシウムであっても、心臓、肝臓、腎臓をはじめとする生命維持に必要な器官への毒性効果が見られる。
心臓への影響
*
生命維持に必要な多くの系で乱れが生じるが、その最初は心臓血管系である。心筋のように、細胞増殖が無視できるかまったくない器官や組織は、代謝プロセスや膜細胞組織に大きな影響が生じるため、最大の損傷を受ける
*
ミンスクの子供は20Bq/kg以上のセシウム137濃度を持ち、85%が心電図に病理変化を記録している。
*
ミンスクの子供で、まれに体内放射能が認められない場合もあるが、その25%に心電図変化がある。このように濃度が低くても、心筋に重大な代謝変化を起こすのに十分である。
血管系への影響
*
血管系が侵され、高血圧が幼児期からも見られることがある。
*
セシウムは血管壁の抗血栓活性を減退させる。
*
血管系の病理学的変化は、脳、心臓、腎臓、その他の器官の細胞の破壊を導く。
*
体内のセシウム濃度の高い子供の間で、白血球の数の減少が見られた。最初に減ったのがバチルス核好中球と単球であり、同時にリンパ球の数が増大した。
*
動物実験では、絶対的赤血球数と相対的核好中白血球の数の減少が起きた。
*
40キュリー/km2以上の地域から汚染の少ない地域に移住した子供の骨髄球の生理状態が回復したことは注目に値する。
腎臓への影響
*
セシウムは腎臓機能を破壊し、他の器官への毒作用や動脈高血圧をもたらす。ゴメリにおける突然死の89%が腎臓破壊を伴っている。
*
腎臓もセシウムの影響を強く受けるが、放射線による腎臓の症状は特徴がある。また病気の進行が早く、悪性の動脈高血圧がしばしば急速に進む。2-3年すると、腎臓の損傷は慢性腎機能不全、脳と心臓との合併症、ハイパーニトロゲンミアを進展させる。
肝臓への影響
*
肝臓においては、胎児肝臓病や肝硬変のような厳しい病理学的プロセスが導かれる。
*
免疫系の損傷により、汚染地ではウィルス性肝炎が増大し、肝臓の機能不全と肝臓ガンの原因となっている。
甲状腺への影響
*
セシウムは、甲状腺異常にヨウ素との相乗関係を持って寄与し、自己免疫甲状腺炎や甲状腺ガンの原因となる。
母体と胎児への影響
*
セシウムは女性の生殖系の内分泌系機能の乱れをもたらし、不妊の重要因子となりえる。また、妊婦と胎児両方でホルモンの不調の原因となる。
*
月経サイクルの不調、子宮筋腫、性器の炎症も見られる。
*
母乳を通じ、母体は汚染が低くなるが、子供にセシウム汚染は移行する。多くの系がこの時期に作られるので、子供の体に悪影響を与える。
*
1998年のゴメリ州での死亡率は14%に達したが、出生率は9%(発育不全と先天的障害者含む)だった。妊娠初期における胎児の死亡率がかなり高かった。
*
セシウムは胎児の肝臓病を引き起こし、その場合胎児は肝臓に限らず、前進の代謝の乱れが生じる。
免疫系への影響
*
免疫不全により、結核が増加している。
*
免疫系の障害が、体内放射能に起因することは、中性白血球の食作用能力の減退で証明されている。
神経系への影響
*
神経系は体内放射能に真っ先に反応する。脳の各部位、特に大脳半球に影響を及ぼし、さまざまな発育不良に反映される。
*
生命維持に不可欠なアミンや神経に作用するアミノ酸の内部被曝による変動は外部被曝と比べ、顕著である。
*
セシウム137の体内量と自律神経系の機能障害は相関する。
*
動物実験で発情期のメスに神経反応の組織障害が起こる。
*
ウクライナの学者は、大脳の差半球で辺縁系小胞体組織の異常があると述べている。
消化器系
*
セシウムが体内に長期間入っている子供に、慢性胃腸病を引き起こす。
視覚器官
*
ベトカとスベチロビッチ(15―40キュリー/km2)に住んでいる子供では、子供の視覚器官の変化はそれぞれ93.4%と94.6%だった。
*
白内障発生率とセシウム137の量に明白な正比例関係が見られた。
相乗作用
*
セシウムの影響は、ニコチン、アルコール、ハイポダイナミアと相乗して憎悪される。
男女差
*
セシウムは男性により多く取り込まれやすく、女性より男性により強い影響が出ており、より多くのガン、心臓血管不調、寿命の低下が見られる。
疫学調査
*
1976年と1995年のベラルーシの比較。悪性の腎臓腫瘍が男4倍以上、女2.8倍以上。悪性膀胱腫瘍が男2倍以上、女1.9倍以上。悪性甲状線腫瘍が男3.4倍以上 女5.6倍以上。悪性結腸腫瘍は男女とも2.1倍以上。
*
ゴメリ州では腎臓ガンは男5倍、女3.76倍。甲状線ガンは男5倍、女10倍となった。
セシウム排出製剤
*
セシウムの排出に、ペクチン製剤のペクトパルは最も将来性がある製剤のひとつだが、セシウムが人体に入るのを防ぐほうが、それを排出したり乱れた代謝を正常にするより容易なことを心に留めるべきである。
ストロンチウムの毒性について
ストロンチウム90は、その昔、レイチェル・カーソンが化学物質とともに「邪悪な相棒」と称した物質で、核実験が行われていたときは、その有害性のために世界各国で研究が行われていた、大変危険な物質です。今回の福島事故では、神奈川県でもかなりの量のストロンチウムが検出されてしまっています。以下にストロンチウムの毒性を記します。
(出典:グロイブ著『人間と環境への低レベル放射能の脅威』、2006年スターングラス博士インタビューhttp://www.e22.com/atom/page08.htm、放射線医学総合研究所監修『人体内放射能の除去技術』など)
*ストロンチウムはミルクや穀物の外殻に蓄積されやすい。(両方とも基本となる食物なので始末が悪い。ちなみに1963年、ドイツでは黒パンの流通を禁止することを考慮)
*カルシウムに似た親骨性の物質であり、ベータ線を放出する。ベータ線はアルファ線より飛距離があり、骨髄により効率的に到達してしまう。ストロンチウム90は、骨髄で作られる白血球の正常な機能を阻害するため、ガンや免疫低下、免疫低下に起因する感染症、肺炎などを引き起こす。
*カルシウムに似た親骨性の物質であり、ベータ線を放出する。ベータ線はアルファ線より飛距離があり、骨髄により効率的に到達してしまう。ストロンチウム90は、骨髄で作られる白血球の正常な機能を阻害するため、ガンや免疫低下、免疫低下に起因する感染症、肺炎などを引き起こす。
*1968年、オスロー大学のストッケらは、ストロンチウム90を与えた動物実験で、わずか0.01ミリグレイ(ミリシーベルト)であっても、高度な骨髄細胞への障害を観察した。また、0.1-1ミリシーベルトのストロンチウム90でも動物実験で、骨髄の減衰が見られた。
*あまり知られていないが、カルシウムは神経の伝達にもかかせない物質であるため、ストロンチウムは脳にも入り込み、神経にダメージを与えるため、脳の発達に支障をきたすようになる。
*低体重児の出生率と人体中のストロンチウム90の濃度は大きな相関関係がある。また、妊娠の何年も前から蓄積されたストロンチウム90により、流産の危険性が高まる。
*ストロンチウムの娘核種のイットリウムは脳下垂体に蓄積するが、出産前の2-3週間にこれが起こると、肺胞に必要な脂質の生成が不十分になり、胎児の肺機能の成長を阻害し、出産後に見かけはなんら異常のない赤ん坊が呼吸器系疾患で死亡するケースがある。
*ストロンチウムの娘核種のイットリウムは脳下垂体に蓄積するが、出産前の2-3週間にこれが起こると、肺胞に必要な脂質の生成が不十分になり、胎児の肺機能の成長を阻害し、出産後に見かけはなんら異常のない赤ん坊が呼吸器系疾患で死亡するケースがある。
*ストロンチウムの娘核種であるイットリウムは、すい臓にも集中し、糖尿病やすい臓がんの原因になる。
*ストロンチウムの吸収は早く、ラットに皮下注射した実験では、6時間後には体内量の70~80%が骨に沈着する。
*食物中のストロンチウムは15~45%が消化管から吸収されるが、絶食させたり、ミルクまたはビタミンDと与えると吸収率は高まる。
*乳幼児では、骨形成が活発であるため、より多くのストロンチウムを取り込む危険性があり、授乳中のラットの実験ではほぼ完全に吸収されてしまう。
*ストロンチウムの代謝については1940年代から動物実験が行われ、ほぼデータがそろっているが、今後ヒトの胎児におけるモデル構築や、効率のよい排出法、被ばく低減化を図る研究が重要となってくるだろう。
*乳歯におけるストロンチウム含有濃度が核実験時代には、何倍から何十倍も高まり、大気圏内核実験禁止条約への一助となった。また、米国では、原発周辺に住む子供たちの乳歯のストロンチウム濃度と小児がんの発生率が相関関係を持って高まった。逆に、原発を閉鎖した地域で、乳歯のストロンチウム濃度と小児がんの発生率が下がるという逆の現象も起きている。
~ジョセフ・マンガーノ著『原発閉鎖が子どもを救う』(戸田清、竹野内真理訳)より