新基準ほぼクリアで伊方原発が再稼働の1番手に 規制委、骨子案了承
産経新聞 2月7日(木)7時55分配信
原発の新しい安全基準が施行される7月以降、最も早く再稼働の審査に入る可能性が高いのは四国電力の伊方(いかた)原発(愛媛県)であることが6日、電力各社への取材で分かった。活断層のリスクがないなど新安全基準をほぼ満たしているためで、立地自治体の理解も進んでいる。九州電力の玄海原発(佐賀県)と川内(せんだい)原発(鹿児島県)も次候補に挙がっており、早ければ今秋の再稼働を目指す。
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原子力規制委員会は同日、原発の新安全基準骨子案を了承。7〜28日の間で、一般から意見を募る。4月ごろに詳細な案を練り上げ、7月に法制化する。
田中俊一委員長は6日午後の会見で「基準の運用をどうするかなどは早く検討し、だらだらと時間をかけない」と述べ、基準施行後は再稼働の審査を早急に実施する意向を示した。
骨子案は、原子炉格納容器の冷却作業を遠隔操作する第2制御室などを備えた「特定安全施設」の設置を義務づけ、免震重要棟や津波の影響を防ぐため防潮堤の設置も盛り込んでいる。
放射性物質を取り除きながら格納容器の圧力を下げる「フィルター付きベント(排気)」の設置も義務化。設置工事は数年かかるが、東京電力福島第1原発と同じ「沸騰水型軽水炉(BWR)」は審査申請の時点で新基準の適合を求める。BWRが多い東日本の原発は対策に時間を要し、再稼働は遅れる見通しだ。
しかし、伊方原発など「加圧水型軽水炉(PWR)」は格納容器が大きく、ベント装置がなくても当面の安全性が保たれるため、再稼働後に設置を認める猶予期間を設ける見込み。伊方は免震重要棟も完成済みで、敷地が高く津波対策の必要性もない。玄海、川内も同様で敷地内に活断層はなく、地元自治体が再稼働におおむね前向きな姿勢を示している。
改修には多額の費用がかかるが、規制委は稼働から40年で廃炉を原則としている。稼働から30年以上経過した原発は福島第1を除き全国に15基あり、老朽原発では投資費用が回収できず、廃炉を選択する電力会社もありそうだ。(原子力取材班)
最終更新:2月7日(木)11時11分
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