卵子の老化を考える会・umi:NPOに 妊娠や治療の情報発信、若者への啓発も
毎日新聞 2013年01月30日 東京朝刊
妊娠に向けて治療中の女性たちが、悩みを語り合ったり広く情報を提供したりする「卵子の老化を考える会 umi(ウミ)」(東京都港区)が23日、NPO法人として認可された。代表の森瞳さん(35)は「多くの人が性の正しい知識に触れ、自分の生き方と向き合う場になれば」と話している。
昨年9月に設立され、メンバーは、関東地方に住む33歳から42歳の女性7人。プロゴルファーの東尾理子さん(37)が治療の受診を公表、前向きに取り組む姿勢に共感し、11年夏ごろからブログやオフ会などを通じて交流を深めた。
出産適齢期とキャリア形成の時期が重なった人、若い頃に離婚や病気をして妊娠のタイミングを逃した人、夫に不妊の原因があった人など、治療の理由はさまざまだ。治療を始めても、年齢や病院情報の不足、高額で度重なる受診、周囲の無理解などで二重三重の苦しみがあるという。
「妊娠の仕組みは、ほかの生理現象と同じレベルの基礎知識。でも、知った時には遅いという人が多い」と森さん。会は今後、パンフレット作製やイベントを行い、メンバーの経験を基に治療を受ける人に役立つ情報を提供する。また、若者を対象に妊娠可能年齢を踏まえた人生設計の啓発を行い、妊娠と女性のキャリア形成が両立できる社会整備の呼び掛けなどにも力を入れる。ブログ(http://ameblo.jp/ransinorouka/)で情報発信している。【山崎明子】