尖閣諸島をめぐる中国の挑発は、危険な一線を越えている。このままでは日中関係だけでなく、地域の安定も脅かしかねない。中国に強く自制を求める。
中国海軍の艦船が1月30日、火器管制レーダーを海上自衛隊の護衛艦に照射したことが判明した。同月19日には海自のヘリコプターにも照射した疑いがあるという。しかも公海上でのできごとだ。
同レーダーの照射とは、相手を攻撃するとき、狙いを定めるためのものだ。レーダーを当てられたほうは臨戦態勢に入らざるを得なくなる。衝突につながりかねない、極めて危険な行為だ。
政府は中国側に抗議したが、詳しい説明と再発の防止も求めていく必要がある。
政府が昨年9月に尖閣を購入して以来、中国の挑発は激しさを増している。当初は、尖閣付近に中国国家海洋局の監視船がやってくる事例がほとんどだったが、昨年12月半ばから航空機による接近が始まった。
だが、今回はそれらよりもはるかに危険だ。まず、当事者は紛争を招きかねない中国軍である。その行為も「攻撃の一歩手前」と受け取られかねないものだ。
中国の危うい挑発に、日本はどう対応していくべきなのか。それにはまず、中国指導部内で何が起きているのか、正確に見極めなければならない。
中国の習近平総書記は先月25日、公明党の山口那津男代表と北京で会談し、対話による事態の打開で足並みをそろえた。
ところが、自衛艦へのレーダー照射事件は、その5日後の30日に起きた。同じ日に、中国監視船も尖閣の領海に侵入した。
習氏ら首脳部が容認し、やらせているのか、現場の判断による行動なのか。それによって、日本の対策も変わってくる。
そのうえで最も大切なのは、中国の挑発に日本は決して乗らないことだ。中国は対立を強め、「領土問題の存在」を世界に認知させるつもりだ。挑発によって自衛隊の出動を誘い、日本が緊張を高めていると宣伝する狙いもある。
いまのところ、安倍政権の対応は冷静だ。領土では譲歩しない考えを明確にする一方で、こちらから挑発する言動も控えている。この姿勢を貫き、米国をはじめとする主要国の支持を得ながら、中国に向き合う。これが最善の対策である。
中国、山口那津男、習近平、中国海軍
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