「お疲れ様」 チンパンジー指導の堤さん最終公演
(2013/1/28 08:41) 全国的に有名なチンパンジートレーナー堤秀世さん(65)の最後の公演が27日、伊東市の伊豆シャボテン公園で開かれた。全国から駆け付けたファンや家族ら約600人を前に相棒のアスカ(雌、12歳)と普段通りの笑いたっぷりのショーを繰り広げ、31年間に及んだチンパンジーステージの活動に幕を下ろした。
アスカは堤さんの指示で丸い筒の上でバランスをとったり、高さ5メートルの竹馬を乗りこなしたりと、次々に技を披露。時折、堤さんの言うことを聞かないこともあり、堤さんとの絶妙なやりとりが会場の笑いを誘った。
公演後、堤さんは「ステージを始めた当初、お客さんの反応はなかった。つらいこともあったが、客に楽しんでもらうことを一心に今日まで続けてきた」と涙ながらに話し、満席の会場に向かって感謝の言葉を述べた。
札幌市から駆け付けた堤さんの長男一成さん(31)は「最後もエンターテインメント性たっぷりの、親父らしいステージだった。本当にお疲れ様、と言いたい」と話した。
堤さんは1979年、シャボテン公園入社。親の育児放棄などで訓練が必要になったチンパンジーの学習成果を披露する公演を81年から始め、これまでに20頭以上を訓練した。体力の衰えを理由に引退を決意。3月まで後進を指導し、4月からは故郷の北海道で動物専門学校の講師を務める。
シャボテン公園のチンパンジーステージは今後も続く。
最後の公演で相棒のアスカと技を披露する堤さん=伊東市の伊豆シャボテン公園