人間失格

僕は生まれた時から人間をやめていた。
人間らしく生きるなんて僕には難しい事だ。
生まれつき目が見えない人が、太陽がどんなものなのか分からない。
人間性など持ち合わせていないのに、人間らしさなんて分かるわけもない。
よく僕に対して早く死ねとか害悪の如く言う人間がいる。
ごく一部だが確実にいる。
もしも人間らしさというものが良く知らない存在に対してこのように発言する事ならば
僕は人間にはなりたくない。
偽善者は僕にこう言う。
信頼関係を築けばその歪んだ感情もまともになると。
信頼関係？犬が飼い主に抱く感情の事かな？
信頼などは所詮ペテンだ。
カードの裏を見ればトリックが分かる。
でも僕はそのカードをまるで本物のように見せる事ができる。
この世界にある全てはペテンだ。
僕には意味のないもの。
もし勇者が魔王と倒したら、その後はなにをして生きていく？
魔王が勇者を倒したら、その後はなにをする？
いつからか僕の見ている世界は小さいものに見え始めた。
不可能を可能にする素晴らしい世界。
そんなものはトリックが分かれば無意味なものになる。
無意味な世界に存在する以上、僕が存在する意味もない。