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利用者の目で取引所改革を

2013/2/7付
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 石油などを先物取引する東京工業品取引所は12日に、経営難で解散する東京穀物商品取引所から農産物先物を引き継ぎ、東京商品取引所へ名称を変える。所轄官庁ごとに取引所が異なる縦割り行政を改める一歩だ。利用者の視点で改革を急いでほしい。

 経済産業省が管轄する石油や貴金属と、農林水産省が所管する大豆などをひとつの取引所で売買できるようになるのは前進だ。

 しかし、東穀取が2011年8月に上場したコメ先物は農水省が農政の重要分野として譲らず、関西商品取引所から改称する大阪堂島商品取引所へ移管される。関西商取は昨年の売買高が国内の1%未満であり、東商取との統合を検討してほしい。

 株式や金融先物、商品を一体で取引できる総合取引所構想の実現も課題だ。金融庁が管轄する株式や金融先物と、商品市場の融合は具体化していない。

 少なくとも先物は商品と金融分野を分け隔てなく扱うのが国際標準だ。国内でも為替相場や金利、商品価格の変動リスクをひとつの取引所で軽減できるようになれば、企業の利便性は高まる。

 投資家が株式や金融先物、商品の損益を合算して処理できるように税制の見直しも必要だ。

 海外では有力取引所の合従連衡が加速している。昨年末には原油や金融先物を扱う米インターコンチネンタル取引所(ICE)が、ニューヨーク証券取引所を傘下に持つNYSEユーロネクストを買収すると発表した。

 東工取の売買額は昨年、主力商品の金で見ても世界首位のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の10分の1以下に落ち込んだ。東工取は売買が低迷するために手数料を下げられず、取引コストもCMEなどと比べて割高だ。

 政府は液化天然ガス(LNG)先物市場を国内でつくり、国際指標に育てて輸入価格の引き下げにつなげる考えだ。そのためにも内外の企業や投資家が売買に参加したいと思う取引所がいる。

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東京工業品取引所、東京穀物商品取引所、ニューヨーク証券取引所、NYSEユーロネクスト

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