レーダー照射:首相、公表で対抗…米と連携、国際世論訴え
毎日新聞 2013年02月07日 00時08分(最終更新 02月07日 00時29分)
19日に起きた海自ヘリへのレーダー照射疑惑の一報は、同日中に安倍晋三首相にも届いていた。ヘリのレーダー感知装置は照射された電波のデータを保存できないことから、30日の護衛艦への照射データを1週間かけて分析。そのうえで公表する慎重な手順を踏んだのは、国際社会への説得力を考慮した結果だ。政府関係者は「尖閣国有化前後にも周辺海域でレーダーの照射はあったが、当時の野田政権は公表しなかった」と語り、民主党政権との違いも強調する。
◇中国外務省「報道で知った」
オバマ米政権は5日、国務省のヌーランド報道官がレーダー照射に強い「懸念」を表明し、日本政府と足並みをそろえた。中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)副報道局長は6日の定例会見で「具体的な状況は把握しておらず、担当部門に聞いてほしい」との回答を繰り返し、「われわれも報道で初めて知った」とも述べた。
安倍政権の仕掛けた「情報戦」。中国側も国際世論を見極め、対抗策を検討するとみられる。【青木純、鈴木泰広、北京・工藤哲、ワシントン白戸圭一】