1. 検察庁と刑事手続の流れ
1 検察庁と検察官
検察官は,いずれかの検察庁に所属して仕事を行っています。検察官のうち,検事は,裁判官や弁護士と同じように司法試験に合格した後に司法修習を終えた者などから任命され,副検事は,検察事務官等で法務省の審査会の選考を経た者などから任命されています。このほか,検察庁では,検察事務官が検察官を補佐して,仕事を行っています。
2 捜査
なお,検察官は,必要と認めるときは,自ら犯罪捜査を開始し,犯人を検挙することもあります(独自捜査)。
3 事件処理
不起訴処分には,犯罪を立証する証拠が不十分な場合の「嫌疑不十分」,証拠が十分でも犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重,情状等を考慮して起訴を必要としないと判断した場合の「起訴猶予」,犯人が精神の障害により是非善悪を判断できないなどのため,責任能力が認められない場合の「心神喪失」などがあります。
4 裁判
検察官は,証拠調べの終了後,被告人に科すべき刑罰について意見を述べます。裁判所は,検察官の意見(論告・求刑),弁護人の意見(弁論)などを検討し,判決を宣告します。言い渡される刑には,懲役刑や禁錮刑などがあります。また,事件の内容によっては刑の執行を猶予する場合があります。
裁判所の判決の事実認定や量刑が不当であると考えるときは,上訴することもあります。