説明会後、日本のメーカーの空気清浄機が展示されたカウンターに大勢の参加者が集まり、販売担当者は説明に追われた。売り上げは前年同月比の3〜4倍で品切れ気味という=6日、北京、坂尻信義撮影 |
【北京=坂尻信義】中国の大気汚染で在留邦人に不安が広がっていることを受け、北京の日本大使館は6日、駐在員やその家族らを対象に説明会を開いた。大使館側は、いま北京に暮らす人々は「壮大な動物実験のような状況」に置かれていると指摘した。
説明会には約150人が集まった。環境省から出向し、日本で公害訴訟を担当した経験もある岡崎雄太1等書記官は、肺がんやぜんそくを引き起こす微小粒子状物質PM2・5による「激甚な大気汚染」が1月に頻発したと説明。北京で環境基準が達成されたのは4日間しかなかったという。
さらに岡崎氏は、自宅で使っている空気清浄機のフィルターが1カ月で茶色になった例などを挙げ、「自分の子供の肺がこうなっているかと思うと、ぞっとする」と率直に語った。