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いろいろ環境

この人にインタビュー

安田 喜憲 さん

国際日本文化研究センター

Q.みえこ
安田先生は、京都市西京区の国際日本文化研究センターで研究されていますが、どのような所なのですか。
安田 喜憲 さんの写真

センターの写真

センターの写真

センターの写真
A.安田さん
国際日本文化センターは、日本文化に関する国際的な総合研究、及び世界の日本研究者に対する研究協力を目的として、昭和62年5月に文部省大学共同利用機関として設立されました。
このセンターでは、約10名の大学院生と60名の教員が研究をしています。日本文化の研究や海外との相互理解・研究協力を行っており、その半数は、外国の研究者です。ユニークな建物がありますが、図書館は円形で天井がステンドグラスになっています。パソコンが常設されており、研究者がインターネットを使って情報交換をおこなっています。
Q.みえこ
先生は、どのような研究をされているのですか。
A.安田さん
「環境」と「考古学」、この二つの言葉をひとつにした環境考古学の研究をしています。やさしく言えば、気候や地理的条件などの環境が、人間の生活や文明にどんな影響を与えたかを考えるスケールの大きな学問です。森林等の環境変動と古代文明の盛衰は、大変関係があるのですよ。
Q.みえこ
何か、むつかしそうですね。
スギの花粉の写真
A.安田さん
例えば、木の花粉の分析は、古代環境を考えるのに大変有効なのです。花粉は、強い膜を持っているので、何万年も腐らず土中に残っています。これらを調べることにより、現在は砂漠の地が、何千年も前は、うっそうとした森林に覆われ、森林を中心とした文明が存在していたことがわかるのです。(右は、スギの花粉)
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Q.みえこ
夢のある学問ですね。すごい・・・。ところで先生は、三重県出身なのですね。
A.安田さん
そうなんです。県の北端の北勢町出身です。小さい頃は、よく山に連れられて木を植えることを手伝っていました。その時は、きつい仕事だなあと思ってました。(笑)
三重県の特徴は、海と平野と森林が一体となっていて、北から南へかけて何本もの河川が流れていますよね。流域として、環境を考えることができる良い県だと思います。
Q.みえこ
どのように考えればいいのですか。
A.安田さん
21世紀は、森林と水の世紀だと思います。つまり、森林が守られて、豊かな水が生まれ、その水を農業用水や飲用水として利用しています。やがて水は、河川を流れ海へ注ぎ、森林の栄養とともに魚の成長に貢献します。その魚を人間が食べています。環境を考えるときは、このように循環していることを考えてください。
私は、水のことを考えると、北勢町の「まんぼ」を思い出します。森林の地下水を農業用水として利用するため、横穴の井戸を掘ったものです。
Q.みえこ
私たちは、森林とどのようにつき合えば良いのでしょうか 。
A.安田さん
最近、森林が荒れてきたと聞きます。森林は、人間の手が加わり整備されると美しいですよね。森林は、無くてはならない必要最小限の生命維持装置だと思います。多くの活動主体(NPO等)が森林を守り、美しい郷土が出来ればと思います。
「神話と太陽の森林づくり」などを目標として三重県らしい森林づくりを行って欲しいですね。
Q.みえこ
ありがとうございました。最後に、このホームページをご覧いただいている皆さんにメッセージをお願いしますね。
安田 喜憲 さんの写真
A.安田さん
地球規模で人口が増え続けており、22世紀は「安全な食糧・水・住まい」が重要な要因となります。四季を感じ、資源を循環して使用し、森林とともに生き、森林とともに一生を終える、そんな桃源郷が求められています。三重県では、そのような桃源郷がいくつも作ることができると思います。何か手伝えることがあれば気軽に声をかけてください。

国際日本文化研究センターHP http://www.nichibun.ac.jp/
みえこ
安田先生、さようなら。また会いたいな!