成人指定映画専門館。通称ポルノ映画館。ノスタルジックなエロスを彷彿とさせるその館は現在衰退の一途を辿っている。現存する館は数少なく、数年後には日本からその姿を消してしまうかもしれない。現在も営業を続ける貴重なポルノ映画館の一つである松坂大映。三重県松坂市の中央部にひっそりと佇むその映画館に我々は向かった。
その映画館は古い町並みに同化して、今もなお松坂市の人々の歓楽を担っていた。当日は平日で午後1時に到着したこともあり、お客さんは下の階に3人、上の階に2人の計5人。従業員は支配人の大久保克己氏1人。大久保氏は「好きなように写真撮っていいよ」と、上映中でもかまわず中にいれてくれた。数十枚の写真を取った後、我々は大久保克己氏のお話を聞かせてもらうことができた。
1970年以降、それまで一般映画を上映していた少なからぬ小規模経営の映画館が成人指定映画専門館化した。その一部が今日まで細々ながらその命脈を保っている。このことはポルノグラフィ動画像の供給源が国境をこえたインターネットによって引き継がれた今日においては、おどろくべきことであろう。都市圏においてもその周辺の郊外地においても映画館のシネマコンプレックス化が進行するなか、都市部の片隅でごくわずかのポルノ映画館がひっそりと営業を続けている。我々の力ではポルノ映画館の衰退をどうにかすることは不可能である。しかしながらその灯火を記録して保存することは唯一可能なことだ。その使命を元に今後もポルノ映画館の行く末を見守り続けたい。
取材:ネコジカ@松坂大映