初めての人のための構成管理:Subversionの使い方
先進的なユーザの間では構成管理ツールのトレンドはgitに移っていると思うが、Subversionを使っている組織もまだまだ多い。
実際、Subversionによる構成管理のやり方を聞かれることが多いので、一般的と思われる管理方法をまとめてみた。
■Subversionによる構成管理
0.準備
サーバにsubversionをインストールする。
クライアントにTortoiseSVNをインストールする。
1.リポジトリの作成
リポジトリ作成コマンドで、リポジトリを作成する。
2.最初の登録
インポートコマンドで、リポジトリに構成管理対象を登録しても良い。
このコマンドは、リポジトリの作成後、一回だけ実行できる。
この登録は必須ではない。
3.日々の管理
構成管理対象の日々の管理(ファイルの追加、更新、削除)は、リポジトリを直接操作せず、リポジトリからローカルPCにチェックアウトした作業コピーに対して行う。
まず、変更前にリポジトリから作業コピーをチェックアウトする(チェックアウト)。
次に、その作業コピーに変更を加える。
最後に、作業コピーに加えた変更をリポジトリに反映させる(コミット)。
3.1 チェックアウト
リポジトリの作業コピーをローカルPCに作成する。
Subversionの管理対象であるディレクトリには、.svnディレクトリが含まれる。
【注意】
チェックアウトのとき、URLの大文字小文字の区別に注意すること。この区別を間違えると、チェックアウトはできるが、コミットできない場合がある。
3.2 追加
作業コピーにファイルを追加した場合は、追加コマンドで、それを明示的に示す。
ただし、追加したファイルはコミットするまでリポジトリには反映されない。
3.3 コミット
コミットコマンドで、作業コピーに加えた変更をリポジトリに反映させる。
3.4 作業コピーの更新
更新コマンドで、リポジトリの最新状態を作業コピーに反映させる。
4.エクスポート
エクスポートコマンドで、Subversionの管理対象ではないコピーを、ローカルPCに作成する。
Subversionの管理対象でないディレクトリには、.svnディレクトリが含まれない。
エクスポートは、tarファイルを作るときその他、.svnディレクトリを含めたくない場合に使う。
5.ベースライン管理
日々の管理はtrunkで行い、リリースが近づいたらbranchesに移り、ベースラインはtagsに登録する運用が一般的だ。
ベースラインの登録では、作業コピーでなく、リポジトリを直接操作する。
ベースラインを登録する時は、branchesにあるディレクトリを、TortoiseSVNのコピーコマンドでtagsにコピーする。
そのコピーのタグ名は、年月日で始めると時系列で管理しやすい。
例)
20120201_要求分析
20120301_設計
6.構成監査
ベースラインを登録する前に、そのベースラインに含まれているものが正しいものであることを確認することを構成監査と言う。
ベースラインは、登録後、いろいろな場面で基準として扱われるので、その正しさを保証する構成監査は重要である。
確認する項目としては、
・構成物がレビューやテストで合格したものであること(機能的に正しいか)
・構成物が定義どおりであること(物理的に正しいか)
・構成監査の記録と構成物が、完全で一貫性があり正しいこと(管理方法的に正しいか)
がある。
また、ベースラインは記録であるので、tagsに登録後はその内容を書き換えてはいけない
以上
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