ホンダ創業者、本田宗一郎のもとで仕事をしたデザイナー、岩倉信弥氏の書籍より。これあったかくて良い本ですねー。
本田宗一郎名言録
・「高級な生活をしていないから、高級品がつくれない?じゃあ聞くが、信長や秀吉の鎧兜や陣羽織は誰がつくったんだ?」
・「世の中には『形』は三つしかないんだ。丸と三角と四角だよ。「丸」は円満、「三角」は革新を連想させるよな。それで言うと『四角』は堅実な感じがする。企業の経営もそうだが、円満だけでは会社はつぶれる。革新だけを追い求めるのは危険だ。やはり、基本は堅実で、そのうえで時代の動きをよく見て、円満さや革新を上手に適量混ぜ合わせていくことが大事なんだよ」
・「“見せたくないもの”は、隠そうとばかりせずに、もっとでっかくして、目立つようにしなさい!」
・「クルマは『後ろ姿』が大事なんだ。運転していると、対向車はアッという間に見えなくなる。印象に残さねえんだ。ところが、前を走っているクルマはずっと見ていることになる。格好の悪いやつの後ろにつくと、うんざりだよ。長く見て飽きないのがいいね。」
・「きみは芸術家か!芸術家には新しいものはつくれないぞ」
・「いいものを徹底的に食え。それを自分の中で消化して、自分の”クソ”をしろ」
・「きみ、本当に自分に戻って考えて、そういうことをしたいと思っているのか?」
・「アイデアを練るのは楽しいねえ。それをモノにするのはもっと楽しいよ。こんなに楽しいこと、どうしてやらないんだ。君たちも考えてみろ」
・「やっている者が感動できないようなモノは、他人を感動させられない」
・「よそのクルマがうちのクルマを真似している?人のせいにするな!」
・「99%失敗しても、1%成功すればいいんだ」
・「木登りが得意なサルが、心のゆるみで木から落ちてはならない。しかし、サルが新しい木登り技術を得るために、ある『試み』をして落ちたならば、それは尊い経験として奨励に値する」
・「軽自動車で、メルセデスのクオリティを持つクルマにするんだ」
・「すぐやんなさい!とべっ!」
・「『一歩先』を行ってはダメだ。『半歩先』だ。ちょっと足を出すくらいのところにすれば大衆はついてくる」
・「いいものを見て高いものをつくれ、と言っているわけじゃない。同じものを安くつくれと言ってるんだ。ただ、そのために、まず、いいものを見る必要がある。」
・「クルマが売れる瞬間を見てきたか?見に行ってこい!」
個人的には「自分の”クソ”をしろ」というのが刺さりました。これはわかりやすいメッセージですね。自分が生み出すものは基本的に「クソ」であることを自覚することが、まず大切だと思います。
「よそのクルマがうちのクルマを真似している?人のせいにするな!」というのも素敵ですね。そんな被害者意識をもつくらいだったら、新しいものをさっさと作れ、という前向きなメッセージです。真似されていることを愚痴っても仕方ないですしね。
引用した名言だけ読むと、豪放かついい意味で「無神経」な経営者をイメージしてしまいますが、その実、繊細で人を愛する精神を持った人物だったことが、書籍を一読してみればわかると思います。古き良き経営者という感じで楽しく読むことができる一冊です。