「仕事」と「遊び」は両立しない?いえいえ、「仕事」は「遊び」です

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2013/02/06


ihayato.書店店長、今日はのんびり「遊び」と「仕事」について考えてみます。


「本気」と「遊び」という対立軸

相変わらず為末さんがすばらしいツイートを投稿しています。まずはこちらをお読みください。

為末さんの感覚では、スポーツは「本気の遊び」だったということですね。

あえて引用はしませんが、注意深く彼へのmentionを見ていると、どうも「遊び」ということばに不埒さというか、不純なものを感じている人が少なくないことにも気付かされます。「プロのスポーツ選手が遊びとはなんだ!そんな不真面目な態度でいいのか!」みたいな怒りです。


為末さんになぞらえるのも恐縮な話ですが、ぼくもまた、自分の仕事は「遊び」だと考えています。

ぼくが仕事として行っている、コンサルティングも、NPOの支援も、こうして文章を書くことも、究極的には「遊び」です。たとえば、この文章を書いているのは午後9時なんですが、楽しいからこうして書いているわけです。ぼくは土日問わず仕事をしていますが、それは「遊び」だから、楽しく取り組めているのです。


こういうことを言うとやっぱり、「仕事が遊びだなんてけしからん!」と叫ぶおじさんが出てくるのでしょう。特に「コンサルティングが遊びだ」なんていうと、広告業界のおじさんたちが怒り狂いそうですね。

が、ぼくはどう考えても「遊び」としてやっているので、残念ながらこれからも「遊び」としてこれらの仕事に取り組み、金銭的な対価を得ていこうと考えています。


「仕事と遊びは両立しない」=工場労働時代の考え方

そもそも、仕事と遊びが両立しないという考え方が、前時代的なのです。「モダンタイムス」のような、「上から言われたことをこなすだけ」の工場型の労働においては、たしかに仕事と遊びは反対語の関係にあったでしょう。20世紀前半の仕事です。

ですが、これからの時代に必要なのは、創造性に富んだ仕事です。ゼロから何かを生み出したり、たくさんの情報や人材を「編集」し、新しい価値を生み出す仕事です。

言われたことをただこなしているだけでは、代替可能な人材にしかなりえません。アーティストのような「代替不可能性」を、ぼくらはビジネスパーソンとして持つべきなのです。


そんな新しい時代の労働においては、創造力を発揮するために、「遊び」を仕事に取り込んでいく必要があるとぼくは考えます。

「好きこそ物の上手なれ」とはよく言ったものです。「仕事」を本気で楽しめる「遊び」に昇華することができれば、あれこれと試行錯誤し、失敗し、そしてじわじわと成長する、といったプロセスに、自分を入り浸らせることができるようになります。

遊びとは到底思うことができない「言われたことをこなすだけの仕事」においては、人は試行錯誤をする気にはなりません。挑戦をしないので、失敗を経験することがありません。それゆえ成長することはできず、結局「代替可能なコマ」のような人材に成り果ててしまいます。


仕事のなかに「遊び」を取り込むことに罪悪感を覚える人は、真に創造的な仕事をしたことがない人だと、ぼくは断定します。

創造性を大切にする人なら、仕事と遊びを相反するものとして捉えることはまずありません。

堂々と、自分は遊びとして仕事をしていると、言い張れるようになりましょう。「仕事」の反対語は「遊び」ではありません。「仕事」はむしろ、「遊び」に含まれるものです。こうした認識を持つことこそ、これからのビジネスパーソンに求められることだとぼくは思います。まぁ難しいのは事実なんですが…。

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関連本。「ネットで好きを仕事にする」をテーマにした一冊。「好きこそものの上手なれ」の世界を実感できる本です。