キャンプが始まり、ランニングする名古屋イレブン=タイ・チェンマイで(佐伯友章撮影)
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【チェンマイ(タイ)木村尚公】名古屋グランパスは5日、タイでキャンプインした。ドラガン・ストイコビッチ監督(47)はキャンプ中に新システムの2トップをテストする考えを示唆。永井、金崎の欧州移籍でアタッカー陣の再構築が迫られる中、指揮官がこだわる3トップの基本布陣とは別に、新たなオプションを攻撃に加えていく考えだ。
初のタイ・キャンプは、公式戦さながらの紅白戦で幕を開けた。チームメートが肉弾戦で激しくぶつかり合う白熱の展開。ストイコビッチ監督は「みなさん(報道陣)にハードなキャンプになると約束したでしょう」とニヤリ。「移動の疲れもあっただろうが、初日の割には動けている」と満足そうに振り返った。
指揮官は頭の中にある新たな攻撃の形も口にした。「キャンプでは攻撃を重点的にやる。選手も守りより攻撃の方が好きだろう」と攻撃特化のキャンプにすると明言。「3−4−3がいいのか、4−3−3がいいのか。3−5−2だってある。2トップもオプションの一つだ」と語った。
昨季のストイコビッチ監督はケネディや闘莉王をセンターFWに据え、両翼に永井や金崎を張らせる3トップを好んで採用した。しかし、永井と金崎はそろって退団。代役の矢野とヤキモフスキーはタイプが異なるうえ、腰を手術したケネディも先行きは不透明だ。
ストイコビッチ監督は「2人(矢野とヤキモフスキー)には攻撃の“後継者”になってほしい」と話しており、新戦力を生かすためにも「2トップ」導入は有力な選択肢。ピクシーは08、09年の2シーズンは2トップ(ヨンセン、玉田など)で戦った。戦型は熟知している。
攻撃面の強化に加え、ピクシーは今キャンプで走り込みの量を、昨年比20%増にする方針を明らかにした。就任6年目。指揮官としても幅を広げているピクシーが、戦術とフィジカルの両面で貪欲にグレードアップを図る。
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