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【芸能・社会】さらば団十郎さん 自宅で通夜 天国でも「助六」2013年2月6日 紙面から
3日に肺炎のため66歳で亡くなった歌舞伎俳優、市川団十郎さんの通夜が5日、東京都目黒区青葉台の自宅でしめやかに営まれ、尾上菊五郎や中村吉右衛門、坂東三津五郎(57)ら約800人が弔問に訪れた。葬儀・告別式は6日に同所で行われ、月末の27日ごろに本葬が行われる予定。 喪主は長男の市川海老蔵(35)。団十郎さんの遺体は紋付きはかま姿で自宅一階にあるけいこ場に安置された。遺影はスーツ姿で穏やかな表情という。「家庭画報」の2008年7月号の「大人婚」特集で使われた夫婦のツーショットから抜き出したカットだった。ひつぎの中にはお家芸だった演目「助六」で使用した衣装と江戸紫のはちまきが入れられ、ひつぎの上には「助六」の脇差し、「勧進帳」の巻物と数珠が置かれた。 祭壇の周囲には「助六」の蛇の目傘が広げて設置されたほか、高円宮家から届いた胡蝶蘭の花などが飾られた。 祭事は神道の一つ「神習教」の教主が取り仕切った。弔問客によればお清めなどもなく、神道の儀式にのっとり粛々と進められ、海老蔵、親族、近親者の順に玉ぐしをささげた。海老蔵は気丈に振る舞い、弔問客にも気を配っていたという。妻の小林麻央も同席していたが、娘は会場にはいなかったという。 団十郎さんの表情について弔問客の一人は「病気だったとは思えないほど、本当にいい笑顔で安らかに眠っていた」と話した。通夜の取材には約100人の報道陣が集まった。 ◆市川猿之助ら800人弔問【主な弔問客】林家三平、海老名香葉子、坂東三津五郎、尾上菊五郎、尾上菊之助、富司純子、中村吉右衛門、中村時蔵、坂東彦三郎、坂東亀寿、坂東亀三郎、市川猿之助、小林麻耶、森喜朗、前原誠司、市川中車(香川照之)、中村獅童、三田寛子、中村芝雀、熊川哲也、朝丘雪路、中村玉緒、安倍晋三、松本幸四郎、松本紀保、松たか子、水谷八重子、波乃久里子、寺島しのぶ(敬称略) ◆朝丘雪路 「寂しい…」海老蔵と親交のあるバレエダンサーの熊川哲也(40)は「団十郎さんと会ったのは1度か2度。舞台人として大きな人を亡くした」と悼んだ。喪主の海老蔵と直接言葉は交わさなかったが「強い目線を返してくれて安心した。背負うものが大きくなるけど、同世代の舞台人として一緒に頑張りたい」と話した。 女優の朝丘雪路(77)は、平成元年に自ら率いる日舞「深水流(しんすいりゅう)」の舞踊会に団十郎さんがゲスト出演して以来、親交を深めてきた。「寂しい。どうしてああいうすばらしい方を天国へ連れて行っちゃうのかな」と言葉を詰まらせた。「精神力の強い方で、とても面白くて優しくて笑わせてくれました。もっといろいろ教わりたかった」と話した。 ◆中村玉緒 涙で対面女優中村玉緒(73)は、父の2代目中村鴈治郎(故人)が団十郎さんを「大好きだった」と話し「父と楽屋で話している団十郎さんの顔が思い浮かぶ」としのんだ。遺体と対面し「とても安らかでしたが、お芝居をまだしているようにも見えた」と時折声を詰まらせながら語った。 ◆代役手配が急務 4月に新歌舞伎座 こけら落とし団十郎さんは4月から始まる新しい歌舞伎座のこけら落とし公演で主要な役を演じることになっていた。「四月大歌舞伎」で、「壽祝歌舞伎華彩」の雄鶴、「弁天娘女男白浪」で日本駄右衛門、「五月大歌舞伎」では「三人吉三巴白浪」の和尚吉三、「梶原平三誉石切」の大庭三郎景親、「六月大歌舞伎」では「土蜘」の源頼光、「助六由縁江戸桜」で助六と出演予定がめじろ押しだった。 特に歌舞伎十八番の一つとして団十郎さんの代表的な役でもあった助六のように「誰でもできる役じゃない」(松竹関係者)ものもあり、代役の決定作業は難航している。松竹会員向けチケット先行予約は予定通り7日から。はがきによる抽せん申し込みの受け付けは既に始まっている。 PR情報
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