初場所で5回目の優勝を全勝で飾った横綱日馬富士(28)=伊勢ケ浜=が5日、東京都江東区の部屋で稽古を開始。まだ優勝経験がない春場所での初優勝を誓った。春場所は序ノ口優勝、三段目優勝、新十両、初三賞獲得と験のいい場所。しかも、過去11場所すべて勝ち越している。「大阪は大好きです。ボクの夢は大阪で優勝すること」と連覇を約束した。
◆Vパレード乗り気
185センチ、133キロの細身にはまだ全勝優勝の疲れが残っている。「一週間で疲れが取れるものでもない。次の場所に間に合うかが問題ですね」と、この日は立ち合いで当たるだけの軽い稽古だけだった。
肉体の疲れとは裏腹に優勝への思いは疲れ知らずだ。「大阪は好きなんです」。初土俵は2001年初場所。初めて序ノ口で相撲を取った翌春場所は7戦全勝優勝。三段目だった翌年は7戦全勝優勝。04年は新十両で10勝5敗。入幕3場所目の05年は9勝6敗で、初の三賞となる技能賞を獲得している。
さらに入門以来、11場所すべて勝ち越している験のいい場所。「ボクの夢は大阪で優勝することです。その思いはものすごく強い」と熱い口調で打ち明けた。「変に頑張ると力が入る(疲れる)から」と平常心を心がけるが、優勝パレードの話題には「どこでやるの? やりたいですね」と乗り気だ。
この日は、初場所優勝の副賞(福島県知事賞)のお米「天のつぶ」1トンをJA福島五連の庄條徳一会長から贈呈された。「米は大好き。1トンだったら(部屋全員で)1週間で食べる」と言い、被災した福島県に「希望と喜びを与える相撲を取りたい」と土俵でお礼をするつもりだ。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「あしたから出稽古させる」と話したが、異例の早期出稽古指令にも「もちろん行きます」とやる気満々で意気込んだ。 (岸本隆)
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