yamada_taka>最近ネット上で話題の「元旦セシウム値急上昇事件」ですが、先生はこの原因を何だと思われますか?

> 昨年はずっと10~50MBqだったのが、今年の元旦のみ450MBqまで跳ね上がったとのことですが・・・。

> たとえば、

> 地震によって4号機のプールに破損が見られ、冷却水が減って、懸念されていた原子炉2基分もの燃料棒がむき出しになりつつあるとか・・・?



0106日のブログ記事「1km2 あたり100MBqのセシウムが危険? 相変わらず無知を発信する武田氏」http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52029666.html

で、全く無害と説明しましたが、ネットでは、まだ、無知な騒動が続いていますか。困ったものです。


観測されたセシウムは、風で舞い上がった土埃に付着しているものが下りてきているだけです。原発の現状とは、無関係です。

そもそも、「昨年はずっとxxxだったのが、突然跳ね上がった」が、大間違いです。


文科省が発表している全国の降下放射能量http://radioactivity.mext.go.jp/ja/monitoring_by_prefecture_fallout/ をグラフにしました。

 


月間降下量は、当然3月が最大ですが、その後急激に2.5桁も減少し、6月以降はほぼ一定です。

セシウム降下量


福島原発から、3月中旬の何回かのベントで、水分等に付着して上空に舞い上がったセシウムは、雨で地面に落ちました。雨が降る度に、上空に漂っていたセシウムは減りました。このグラフから、上空に漂っていたセシウムは、5月一杯で完全になくなったようです。


3月の月間降下量が、福島双葉郡と盛岡市で3桁半も違いますが、その後の経時変化が全く同じことに注目して下さい。


これからも明らかなように、6月以降の降下物は、土埃が舞い上がった物です。地面の状態(乾いているか、凍っているか等)と風の強さで、舞い上がる量は大きく変化するでしょう。


上空から正味に舞い降りて来たのではなく、下にあったものが舞い上がって下りて来ているだけなので、その地域の放射能の量に、増減はありません。


全国どこでも、6月以降の月間降下量が、原発から飛来してきた量(3月の月間降下量)の数百分の1であるのは、土埃がこの程度の確率で舞い上がることを意味しています。ネットの馬鹿な大騒ぎのお陰で知ることができた、興味深い情報です。馬鹿な人たちに感謝、です。


尚、舞い上がった土埃を吸い込むことを心配する人がいるかも知れませんが、全く気にしないで下さい。


前のブログ記事で、1km2あたり100 MBqの土を年に77トン食べることができれば、年に1 mSvになるという計算を示しました。吸引の場合も、濃縮効果は全然ありませんので、同じ計算で良いです。但し、その地域の土壌の放射能濃度を使う必要があり、1km2あたり100 MBqより数桁も高いと思いますが、肺で吸引可能な量を何桁も上回る量であることは確実です。

何でもかんでも怖がる材料にしたい人の生き甲斐を奪う必要はなく、思う存分騒いで貰って良いですが、人生には、考えるべきこと、悩むべきことが無数にありますので、yamada_takaさんは、こんなつまらんことは、完全にお忘れ下さい。

尚、福島原発についてですが、
原発が核爆発を起こすことは絶対にないことは説明するまでもないですが、
福島原発で、3/11以降、再臨界が起きる可能性がなかったことは、本ブログで説明済みです。
そして、冷温停止に至った現在、その他の一切の心配もないはずですので、ご安心下さい。